㉖ 生命の数

生命の数は常に同じ。人は死ぬと何かに生まれ変わり永遠に生きつづける。

…これを、転生と言う。生命は繰り返し、やり直し、また無意識から改めて次の生を生きる。

生きとし生けるものは、小さなものから大きなものまで永遠に形を変えて己の役割を全うする。

世界はひとつの生きる生命球…

膨大な数の生命体で社会を構成する。

無意識に意味無く生きる道を選ぶとしたらどこまでもミクロの蠢くだけの命に、さらに小さな菌、細胞に転生する。

小さな蟻のその数たるや、宇宙の広がりに等しく人がどれだけ死んだとしても、生き返っても、受け入れるその器の妙なる事。果なく無限なる事。

人がまた人になれるなんて簡単なことじゃ無い。堕落して生きれば堕落したものに転生する。真面目にコツコツと生きれば次は堂々とした大木になるかも知れない。大丈夫…決して神は人を見放してはいない。

やった様になる。求めた様に、思った様にはならないけど未来永劫終わりはないことだけは定められている。

拒めば拒むほど窮地に立たされる。嫌々やっても、面白く働いても同じだけの時間が消費される。人は時の奴隷だから開放されることはない。

忌まわしい人生。喜ばしい人生。

それを分ける道は無いのだから、虚しさを喜びに替える夢のような魔法を…

時があっという間に過ぎる魔法を…

幸せの瞬間を…


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