⑪ 森の中のレストラン
多治見に住んでいた頃。友達のエホバの証人と聖書研究をしていた。研究は2度目で、何度研究しても最後に神が見えなくて断念。
聖書は好きな書物の1つだ。まともなことが書いてある。守らなければならないことやってはいけないこと、私には普通で苦もなく出来そうだった。でも神は見えない。見えなければエホバの証人にはなれない。そこは宗教だから、そこも真っ当だと思った。
実は夫も研究したことがある。忙しくてゆっくり研究する時間はなかったけれど、彼はどんな事も先入観なしにやって見るところが普通じゃ無くて、そこが気に入っている。
私は神が見えない。と言うと、その頃まだ魔法使いじゃなかった夫が「自分が神だと思えば。」と自分、夫を神と思えと冗談ぽく言っていたが、どうやら本気だったらしい。
夫は自分が神だと思うところがあったらしく、今でも自分が一番好きらしい。その程度で自分が神だと思える考え方がシンプルで良いと思う。
日本では八百万の神に日々新しい神が加わっているのかもしれない。
その、友達が森の中でレストランをやっていて何度か食べに行った。旦那様の実家がレストランをやっていて、そのレストランを受け継いで経営していた。古いけれど森に佇むその感じは悪くなかった。
森の奥にあるので道を思い出すのももどかしい。
10年も時を経た今、ホントの話だったのか不安になる程静かな人を寄せ付けないレストランだった。
料理は美味しかった。アラカルトで頼んで、前菜や珍しいラビオリなんかも食べさせてもらった記憶がある。
場所も判りづらいけれど、やる気もどうだったのか、お客もまばらで、あのままなら存続は難しい。
今度多治見に行くことがあったら、探して行ってみたい。
今も続いていたら、凄い発見になると懐かしく思い出される。
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