筋トレ系Vtuberとの1日 4

 「うぅ……。つっかれたぁー。」

 今日は、講義を2つ受けてきた。高校生の時は、6つ授業を受けて、部活までやってたのに……。筋トレはずっとしてるけど、体力なくなったかな。でも、自分の興味ある勉強できるのは楽しい。大学行って良かったなぁ。

「さてと、今日の配信どーしよっかなー。」

 サムネイル はもう作ってある。あとは、タイトルを入れるだけ。昨日がジョギング、一昨日は腕立てとスクワット。今日はヨガやってみようかな。でも、そろそろ配信ネタ尽きてきたかな。何か考えないと。

「ま、いっか。取り敢えずご飯食べいこーっと。今日はからあげ〜。」


 

 食事を終えて、地下室ではなく部屋に向かった。私は配信の告知ツイートをしてから、一度ベッドに横たわる。


 

 地下室行くとかって、部屋戻ってきちゃった。

 鍵のついてるところに行きたかったから。

 だって顔見られたくなかったから。

 急にあんなこと言うんだから。

 でも、そんなところも私は好きなんだと思う。

 意地っ張り。

 特に私の前では絶対、カッコつけようとする。

 そういうところ、かわいいと思う。

 けれど、ちょっと寂しい時もある。

 それでも。

 欲しいときに欲しい言葉を言ってくれる人。

 ……そこが一番好き。


  

 そんなことを考えてたら、スマホのアラームが鳴った。

「さて、配信行こっと。」

 部屋を出て、階段を降りる。道すがら、キッチンによってスポーツドリンクを取りに行く。キッチンでは、たっちゃんがお皿を洗ってくれていた。

「たっちゃん、ありがとう。」

 出来るだけ平静を装いながら、声をかける。

「いいよ。それより、配信あるんでしょ。」

 たっちゃんは、私に目を合わせようとしない。でも、耳が少し赤くなってるのがわかる。そっち向いたら、耳丸見えだってのに。

「……じゃあ、行ってくるね。」

 私は差し出された耳元でささやく。

「……ウッ。……いってらっしゃい。」

 さっきとは比べものにならないくらい、耳が真っ赤になる。かわいい反応してくれるなぁ。ほんと、いじわるしたくなっちゃう。

 たっちゃんから元気をもらった私は配信画面をつける。

「こんばんは~。」

 

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