わけがわからん
エリー.ファー
わけがわからん
検索しちゃいけない言葉ってあるじゃん。
あれさ、やっぱ検索しちゃだめだよね。
ね、そう思うよね。
うん、まぁ、その。
検索しちゃったわけよ。
まぁ、何なんだろうなぁ、みたいな感じ。
怖いもの見たさだよね。
わけわかんないものでも、なんでもいいからさ。
見てみたいっていうのかな。
で、検索したらさ。
赤い粒粒が画面いっぱいに出て来て。
で。
すぐ消えたわけよ。
なんだったのかなぁ、なんて思ってたらさ。
それから、ずっと。
ずっと、なんだよ。
赤い粒粒がどこを見ても出てくるんだよ。
赤い砂粒っていうよりは、おできっていうか、ニキビっていうか、そんな感じなんだけど。
そう、お風呂に入ってても、散歩してても、寝てても、ご飯を食べてても、ゲームをしてても、走ってても、歩いてても、止まってても、勉強してても、勉強してなくても、誰かと付き合ってても、付き合ってなくても。
ずっと見える。
最初は気にしないようにしてたんだけど。
段々、赤い粒粒を数え始めちゃって、それがやめられなくなって。
もう、何も手につかないよ。
どうすればいいのか分からないんだよね。
対策が分からないんだよ。
もう、心の問題でしょ。これ。
日頃の行いが悪いってことなのかな。だから、こんなことになったのかな。
怖いよ。
どうなっちゃうのかな。
病院に行っても、分からないって言われるし。
不安でいっぱいだし。
腕とか脚を爪で強く押したりするんだけどさ。その、血とか出るでしょ。
で、ちょっとだけど、安心するんだよね。
自分が生きてる感じがして、赤い粒粒を無視できてる気がするんだよね。
もうさ、視界どころの騒ぎじゃないんだよね。
脳だよね、脳。頭の中に赤い粒粒が浮かんでいる感じ。いや、刻まれてる感じかな。赤い粒を、ピンセットで埋め込まれている感じ。
もうさ、嫌になるよ。
青い粒粒だったら、まだましだったかもしれないね。赤よりも青の方が好きだし、服も青色が多いから。
水色の粒粒だったら、爽やかだったかも。でも、白の粒粒の方が好きだな。特に理由なんてないけど。
ねぇ、他の人はどうなのかな。
粒粒が見えてる人っていないのかな。
もしも、同じように悩んでいる人がいるなら会いたいな。色々なことを相談したいんだよね。食欲が落ちちゃったこととか、模様がよく分からないこととか、視力が落ちたこととか。
まぁ、困ったことのある人しか分からないことって多いからさ。
ね。
難しいよね。
こういう話って。
私もわけわかんないんだよ。
めっちゃ困ってる。
あぁ、検索なんてしなきゃよかった。危ないものって、危ないから危ないんだよね。いや、当たり前なんだけどさ。分かりきってたとこなのにさ。結局、調べちゃって、この有様。
いやぁ、どうすればいいのかな。
目を潰せば、なんて、思うだけでやらないよ。大丈夫、そういうグロいことはやらないって。でも、やりたくなっちゃうよね。全然、問題の解決にはならないけどさ。
さぁ、どうしようかな。
新しい情報なんてないから、何にもできないけど。
受け入れるしかないのかなぁ。
うぅん。
病気なのか呪いなのか。
ていうか、病気と呪いの違いってなんだろう。
本当に、何なんだろう。
わけがわからん エリー.ファー @eri-far-
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます