皇帝の後宮では、舎殿に花の名前が冠されている。そこに住まう后妃は、生家の氏の代わりに舎殿名を名乗るのが慣例とされていた。


 薔薇そうび殿でんは、数多ある舎殿の中でも、皇帝が住まう龍臥りゅうが殿でんから遠く離れた場所にある。構えも小さく、代々位が低い妃の宮とされてきた。


 ──とはいえ、少々陰気が過ぎるな。


 遠目に見える薔薇殿に、浚明は面布の下で目をすがめた。


 季節は初夏。薔薇殿の名にふさわしく舎殿の周りには品よく薔薇が植え込まれているが、花の旬を目前にしているとは思えないくらい舎殿の植栽からは生気を感じられない。


 舎殿自体も爽やかな日差しを受けているはずなのに、どこか陰って見える。浚明しゅんめいに退魔師としての才は一切ないが、そんな浚明でも『何か良くないモノが憑いているのでは』と勘繰りたくなる空気が薔薇殿一帯には漂っていた。


 とはいえ、浚明は理論に生き、観察眼と思考力で不正という闇を切り開く御史台ぎょしだい隠密監査官だ。『不気味』の理由をひたすら怪異に押し付けていては隠密監査官の名にもとる。


 実際に余計なことを頭の片隅で考えながらも、浚明はすでに何がそこまで薔薇殿を陰鬱な雰囲気にしているのか理由に目星をつけていた。


 ──締め切られた扉や窓。さらにその内側に厚く垂らされた布。まるで……


「まるで何かにおびえて舎殿の中に閉じ籠もっているかのようですね」


 浚明とともに木陰に隠れ、薔薇殿を観察していた蒼鈴そうりんが口を開いた。妃のような豪奢な装いに身を包んでいても、その思考のキレは常と変わらない。そのことが浚明には頼もしく、また妙に安心もできる。


「ああ。もしくは、閉じ込められている、だな」

「その線もありそうですね」


 蒼鈴に相槌を打ちながら、浚明は呼吸ひとつで余計な考えを頭から追い出す。その音を敏感に拾い上げた蒼鈴が浚明と、その傍らに控えた玲伯れいはくを振り返った。


「打ち合わせの通りで、よろしいですね?」


 蒼鈴の言葉に、浚明はここまでの道すがら、二人と手短に打ち合わせた内容を思い起こす。


 ──今回、俺は薔薇殿の中で口を開くことができない。


 格が低く、皇帝のお渡りが絶えて久しいと言われている薔薇殿だが、それでも薔薇殿の妃が皇帝の側室であることに変わりはない。薔薇殿の住人は当然皇帝の顔を直に拝し、直接声を聞いたことがあるだろう。


 浚明の容姿は皇帝と瓜二つ、声も非常によく似ているらしい。つまり浚明は薔薇殿の中でおもてを露わにすることはおろか、直接問いを投げかけることさえできないということだ。


 浚明が皇帝の縁者であると知られることもマズいが、何より厄介なのは薔薇殿の人間が浚明を皇帝当人であると勘違いした場合だ。たとえ浚明にその気がなかったとしても、皇帝の身をかたることは重罪にあたる。騒ぎになるどころの話ではない。


 ──俺は薔薇殿の外で待機するという手もあったが。御史台の任務を蒼鈴殿と玲伯様に丸投げするわけにもいかない。


『ならば、わたくしが貴方あなた様の口を務めます』


 頭を悩ませる浚明に提案したのは、蒼鈴の方だった。


『わたくしの実績は、貴方様の記憶におたずねくださいませ』


 浚明は一切の主導権を蒼鈴に託し、口を利かないままその場にいるだけ。事情聴取も話の誘導も蒼鈴が務め、補佐には玲伯があたる。浚明はその場その場で蒼鈴の話に合わせて適宜適切に振る舞う、という形でどうだろうかと、蒼鈴は暗に提案したのだ。


 ──それは『丸投げ』と何が違うのかと言いたいところではあるんだが。


 とはいえ、蒼鈴の調査の腕が確かであることも事実だ。ここまで世話になりっぱなしで『信用できない』とは口が裂けても言えないし、実際のところ欠片もそんなことは思ってもいない。現状での最善案であることは確かだ。


『……手間をかける』

『利害の一致です。お気になさらず』


 ──そのうち『借りを返せ』と御史台に詰め寄られたら、断れないな。


 そうなった時、果たして浚明は御史台に迷惑をかけずに蒼鈴への恩を返せるだろうか。


 そんな雑念を振り払うように、浚明は潜めた声で蒼鈴に答えた。


「ああ、頼む」


 浚明からの短い言葉に、蒼鈴は小さく頷いてから玲伯を見やった。蒼鈴の視線を受けた玲伯は、蒼鈴に頷き返すと優美な笑みを浮かべる。


「では」


『参りましょう』と蒼鈴がささやいた時には、蒼鈴の足はすでに木陰の外に踏み出していた。その迷いのない足運びに玲伯が優雅な足捌きで続き、気配を消した浚明が二人の影のように最後尾を固める。


 堂々と正面から薔薇殿に近付いた蒼鈴は、まっすぐにきざはしを上がるとピチリと閉め切られた扉の前で足を止めた。通常ならばここまでの間に不審者に気付いた女官が飛び出してくるものだが、相変わらず薔薇殿の中はしんと静まり返っている。無人と言われても信じられそうな静けさだ。


 ──とはいえ、中に気配はあるから、無人ではないことは確かなんだが。


「もし、薔薇殿灑珠れいじゅ様へ申し上げます」


 玲伯と浚明を従える形で扉の前に立った蒼鈴は、玲瓏な声で堂々と訪いを告げた。凛と響く玲瓏な声は、無視を許さない厳しさで周囲の空気を叱咤する。


「我々は絽棗ろそう殿でん珱鈴ようりん皇太后陛下の遣いで参りました。至急開門なされませ」


 居丈高ここに極まれりといった物言いではあるが、急な来訪を受け入れさせるのにこれ以上効果的な言葉もない。


 ──この迷いのなさは、神祇部じんぎぶでの調査の時と同じだな。


 どちらかと言えばひそやかな潜入捜査が本領である浚明は、強権行使の正面突破を仕掛けておきながらも常の無表情を崩さない蒼鈴を感心しながら見つめる。


 その瞬間、薔薇殿の中からバタバタとあまり品がいいとは言えない足音が聞こえてきた。先方もさすがに皇太后の遣いを名乗る相手に居留守や訪問拒否は使えないと判断したのだろう。気配と音だけで、随分と慌てているのが分かる。


 ──さて。これは『皇太后陛下からの急な遣い』ということに慌てているのか。それとも……


 何か後ろめたいことを薔薇殿全体で隠しているから、なのだろうか。


 浚明がそんなことを考えた瞬間、扉は内側から慌ただしく開かれた。


「はいはい! ただい……」


 中から顔を覗かせた年かさな宮女は、蒼鈴と視線が合った瞬間ピタリと言葉を止めた。丸く目が見開かれた顔を見るに、どうやら蒼鈴の美貌に驚き、続けて蒼鈴の顔周りを彩る装飾類に驚き、さらに蒼鈴が身を包んだ青揃えの華やかな衣に驚いたらしい。


「我々は、絽棗殿珱鈴皇太后陛下からのお言葉を、薔薇殿灑珠様へお伝えするためにやって参りました」


 驚きに固まった宮女に臆することなく、蒼鈴は常と変わらない淡々とした声音で告げた。その間に扉を閉められないようにさり気なく足を挟み込ませたことに、恐らく応対に出てきた宮女は気付いていないだろう。


「遣いを立てない急な来訪で申し訳ありませんが、至急灑珠様のお目にかかりとうございます」

「お、お言葉ならば、わたくしがお取次ぎいたします」


 驚きに呑まれたように見えた宮女だったが、存外己を立て直すのは早かった。


 ハッと我に返った宮女は、胡散臭いものを見る目つきで蒼鈴を見返しながらさり気なく扉を閉めようとする。


 だがそんなことでたじろぐ蒼鈴ではない。


「皇太后様より、『くれぐれも灑珠様へ直接お伝えするよう』と言付かっております。貴女様へはお聞かせできません」


 扉の間に差し入れた足を軸にズイッと蒼鈴が身を乗り出すと、同じだけ身を引いた宮女が扉の陰で顔を引きらせた。


 その表情を見るに、宮女はこちらが皇太后からの使者である、という部分は疑っていないようだ。そうでありながら、こちらが薔薇殿に踏み込みことや、この舎殿の主である灑珠と対面することは拒否したいという内心を隠しもしていない。


 ──まぁ、これだけ金のかかってそうな青揃えの装束姿の人間を相手に、『絽棗殿の使者を騙る偽者』なんて思う馬鹿はさすがにいないだろうが。


 後宮で『胡吊祇うつりぎ』と言えば皇太后陛下だ。そして玻麗はれいでは、どんな馬鹿でもたわむれや騙りで『青』を着ようとはしない。下手に手を出せば最後、最悪の場合はその戯れの代償を己と血族の命であがなうことになると、この国の住人ならば誰もが知っている。


 宮女だからこそ、蒼鈴が纏った装飾品や衣類の価値は理解できたはずだ。扉を開けてしまった時点で、この宮女に『否』を口にできる資格はない。


 ──もしかして蒼鈴殿を着飾らせたという胡吊祇本邸の女性陣は、こういう風に装束の価値を活かせると分かっていたのか?


 そうであるならば、その先見の明としたたかさ、蒼鈴ならば装束の価値を活かせると判断した信頼に浚明は感謝するべきだろう。


「会わせていただけますね?」


 もはや蒼鈴の言葉は『要望』ではなく『命令』だった。さらに盛大に宮女が顔を引き攣らせる前で、追い打ちをかけるかのように玲伯が扉に手をかけ、軽く力を込める。


「ヒッ……!」


 青揃えの使者二人の圧に、宮女は扉から手を離すと後ろへ飛び退いた。そんな宮女に敗北を告げるかのようにキィ、と扉が大きく開く。


 そうして開かれた門扉の内へ、蒼鈴は悠々と踏み込んだ。


「案内は結構。舎殿の構造など、どこも似たりよったりですから」

「ちょっ……ちょっと!!」


 もはや『使者』と呼ぶよりも『押し込み不法侵入者』と呼んだ方がふさわしい暴挙に、宮女は慌てて蒼鈴を引き留めようと手を伸ばす。それに気付いた浚明は、スッと音もなく踏み込むと蒼鈴の背中と宮女の手の間に身を割り込ませた。


 青揃えの二人にばかり意識が行っていた宮女は、浚明の存在に気付いていなかったのだろう。突如目の前に現れた面布着用の不審人物に、宮女の肩がビクッと大げさなほどに跳ねる。


「ヒッ!! なっ、何者っ!?」

「彼は皇太后陛下が派遣なされた、神祇部の神官です」


 宮女の悲鳴を正面から浴びながらも、浚明はたじろぐことなく両袖を重ね合わせ、その上に顔を伏せるようにユルリと頭を下げた。


 無言のまま殊更ゆっくりと動く浚明の姿が、宮女には不気味な存在に映るのだろう。サッと二歩ほど後ろに下がった宮女は、もはや蒼鈴の存在など忘れてしまったかのように、血の気の引いた顔でひたすら浚明と、その傍らに残った玲伯を凝視している。


 ──それでいい。もっと俺達に集中しろ。


 この場での浚明の役割はおとりだ。浚明が作り出す不気味さに注目が集まれば、その分蒼鈴の存在が霞む。浚明が作り出す影の中を、蒼鈴が自由に動き回れるようになる。


「し、神官!? なぜそんな者が……っ!!」

「神祇部の占に、最近陛下の後宮で、何やら悪しき気が停滞しているというが出ましてね? 詳細に占ってみたところ、どうにも薔薇殿がその悪しき気の温床になっているのではないか、と出たのです」


 玲伯も浚明と同じことを考えたのだろう。浚明の代弁者としてこの場に残った玲伯は、柔和な笑みを浮かべたまま立て板に水を流すがごとくありもしない話を並べていく。


「その結果を皇太后陛下は重く受け止められました。後宮に住まう后妃達には健やかに日々を営んでほしい、というのが皇太后様の願いです。その憂いを祓うために、我々が遣わされました」

「何を勝手な……!」

「おや。皇太后陛下のお気遣いを『勝手なこと』と言われますか?」


 玲伯の言葉にグッと宮女は言葉を詰まらせた。


 たかが宮女、それも薔薇殿などという格の低い舎殿の人間が、後宮の最高権力者である皇太后に楯突くなど、何があっても許されることではない。本来ならばこの宮女は、礼を尽くして蒼鈴達を出迎えなければならなかったはずだ。


 それでも宮女は、一度グッと唇を噛み締めると金切り声を振り絞る。


「我らが灑珠様は、神祇部尚書しょうしょ御寿頭みすず様の御親類です! 神祇部が何かを判じたならば、まずは灑珠様に直接連絡があってしかるべきでしょうっ!!」


 ──そういえば、そんな話もあったな。


 浚明は宮女に顔を向けたまま、己の記憶を漁った。


 薔薇殿灑珠は、三年ほど前に入内した新参者の妃だ。実家は有名でもない二文字姓の家だが、血筋を辿れば三姓家の一角・御寿頭家と縁があり、分家筋の中でも割と活発に御寿頭本家と交流があるという。灑珠の入内も、その縁からのゴリ押しだったという話だ。


「わたくしは何も知らされておりませんっ! わたくしはこの宮を預かる者として、たとえ皇太后陛下の遣いであろうとも不審な輩を立ち入らせるわけにはいかないのですっ!!」


 宮女の金切り声に、何事かと他の宮女達が顔を覗かせ始める。その気配を辿りながら、浚明はふと違和感を覚えた。


 ──数が少ないというのも気がかりだが……


 どの宮女も生気に欠け、表情に影がある。後宮の妃に侍る宮女と言うよりも、牢獄に繋がれた虜囚と言われた方が気配だけならば近しいのかもしれない。


 ──どういうことだ?


 その居心地の悪さに、浚明の背筋にヒヤリと寒気が走る。


 ──これは、明らかに『何か』がある。


 浚明は顔を動かさないまま面布の下で視線を巡らせ、最後に玲伯へ視線を投げた。目の前の宮女を見据えたまま玲伯も異常を感じ取ったのか、玲伯は浅く顎を引いて浚明からの視線に応える。


「お引き取りください」


 そんな二人のやり取りに気付いていない宮女は、ズイッと一歩浚明へ詰め寄った。自分自身が上げた声で気が高ぶっているのだろう。血走った目をカッと見開いて浚明に迫る宮女は、何かが振り切れてしまったかのように金切り声を張り上げる。


「引き取らないというならば、御寿頭様にご連絡申し上げて……っ!!」

「黙るのはお前の方です、この監禁犯」


 だがその声は、しんと凪いだ玲瓏な声に遮られた。


 ハッと視線を投げれば、廊の先に薄暗がりの中でも鮮烈に目を射る青が翻る。その背後に見慣れない色を見つけた浚明は、思わず面布の下で目を見開いた。


 だが蒼鈴は浚明に疑問や驚きを噛みしめる暇を与えない。


「何もかも真っ黒です。ひとまず、制圧してください」


 端的な指示に、まず玲伯が無言で従った。


 瞬きをするよりも早く宮女との間合いを詰めた玲伯は、有無を言わせず宮女の首に手刀を落とす。文官とは思えないその早業に、宮女は反応もできずにくずおれた。


「ヒッ……!」


 その光景を目にした他の宮女達が、遅れて悲鳴を上げながら後ずさる。


 だがその瞬間にはすでに浚明の腕が翻っていた。音もなく飛ばされた麻酔針は、あやまたず宮女達の体に突き刺さる。その衝撃に宮女達がうめき声を上げた時には、彼女達の体はクタリと床に倒れ、次々と意識が刈り取られていた。


「お見事」


 倒れた宮女は全員で五人。他にこの舎殿に人の気配はない。これで制圧は完了だ。元から詰めていた人数が少なかったことが幸と出たのだろう。


 浚明が気を研ぎ澄ませてそのことを確認していると、パンパンッと手を払った玲伯が軽やかに声をかけてきた。『かく言う玲伯様の方が』という内心を込めて視線を投げると、玲伯は軽く肩をすくめてみせる。


「曾祖父と祖父の教育方針でね。『自分の身くらい自分で守れ、いざとなったら拳で切り抜けろ』ってことで、護身術は人並み以上に修めるのが胡吊祇流なんだ」


 ──末恐ろしい教育方針だな。


『下手な武官よりも無駄のない動きだったんだが』と戦慄しながらも、浚明は意識を切り替えて蒼鈴を振り返る。その視線の動きに気付いたのか、玲伯も浚明の後を追うように蒼鈴を見やった。


「それで? どういうことか、説明してくれるかい?」


 二人分の視線を受け止めた蒼鈴は、ひと呼吸分間を置いてからスッと体を横へ引いた。あるいはそれは、玲伯の問いが自分と、自分が背後に庇った娘、両方へ向けられた問いだと解釈したからなのかもしれない。


「ご紹介いたします」


 蒼鈴という壁を失った娘は、目の前に広がる光景に息を飲んだ。口元を覆うように両手が動くが、腕が動いてもたもとが揺れることはない。よくよく見てみれば彼女が纏う暗色の衣には、妃嬪の装いには似つかわしくない襷紐たすきひもがかけられ、長い袂がたくしあげられている。


「『淡夢たんむ双妃そうひでん』の作者であらせられる、薔薇殿灑珠様です。入内を口実にこちらの舎殿に監禁され、『淡夢双妃伝』の執筆を強制されていたことが本人の口から確認できました」


 だがそのチグハグさへの違和感など、次の瞬間には軽く吹き飛ばされていた。


 ──は? 作者? 監禁? 執筆を強制?


 予想していなかった言葉に事態を理解できなくなった浚明は、『流れについていけていますか?』という感情を込めて玲伯を流し見る。だが玲伯も理解度は浚明と同程度だったらしい。分かりやすく困惑の表情を浮かべた玲伯は、降参とばかりに片手を上げると弱りきった声を上げる。


「あー、華鈴かりん、すまない。ついていけなくなったから、最初から順番に説明してくれないか」


 ──あ、親族といえども、常に思考の道筋が理解できるわけではないんですね?


『そしてそれを素直に口にしてもいいものなんですね?』と、浚明はこんな状況なのに感心してしまった。


 対する蒼鈴は説明を求められることに慣れているのか、変わることのない無表情で目の前の光景に視線を巡らせる。


「ここでは落ち着けませんね」


 どうぞこちらへ、と、蒼鈴は灑珠も含めた一行を奥へといざなう。その様はまるで、蒼鈴こそがこの舎殿の主であるかのようだった。


 ──一体、何がどうなっているんだ……?


 困惑しながらも、今は蒼鈴に従うしかない。


 浚明は玲伯と顔を見合わせると、蒼鈴の案内に従って舎殿の中へと足を進めた。

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