筋肉は裏切らない?
とりあえず 鳴
第1話
僕には好きな人がいる。
その人はクラスでも人気があってみんなの憧れみたいな人だ。
僕は特に取り柄もなく、それに少しだけぽっちゃりしている。
そんな僕があの人と付き合うなんて夢のまた夢。
だから僕はまず見た目から変えようと筋トレを始めた。
ネットで調べたり、筋トレの動画を調べたりして頑張った。
最初の三日で諦めたくなったけど、あの人の隣に立つ為に僕は諦めなかった。
毎日筋トレや走り込みを続けて、少しずつだけど筋肉が付き始めてきていた。
ただここで一つ問題が生じた。
一体どこまで筋肉を付けたら告白すればいいのかというのと、告白ってどうすればいいのかということ。
見切り発車で始めたから、どこまでやればいいのかが分からない。
それに告白だってしたことないからどうすればいいのか分からない。
分からないから限界までやることにして、その間に告白については考えることにした。
満足がいくまでに約一年がかかった。
途中で何度も諦めたくなったけど、あの人の隣に立つ為ならと頑張れた。
そこでまた問題が生じる。
僕は約一年家族以外の人とまともに話していなかった。
久しぶりに話す人が好きな人なんて緊張しない方がおかしい。
今更考えてもしょうがないから勢いのまま僕は『放課後校舎裏に来てください』と手紙を書いて下駄箱に入れた。
今時そんなのは古いのかもしれないけど、僕に思いつくのはこれだけしかなかった。
そして校舎裏で待っているとあの人は来た。
ここで考えてもしょうがないと思って言った「好きです、付き合ってください」と。
それにあの人は少し驚いた様子だったけどこう返してくれた「ありがとう。でも私、筋肉がすごい人より少しぽっちゃりしてる人が好きなの。前の君みたいに」と。
僕はこう思った(僕のこと見ててくれたんだ)って。
何よりもそれが嬉しかった。
これからはあの人の好きな人になれるように話していくことになった。
筋肉は裏切らない? とりあえず 鳴 @naru539
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます