姪のさっちゃん【KAC20235】

羽弦トリス

おふざけはnonnon

僕の名前は大原誠。鉄工所で働いる28歳の男だ。ソファーの隣に座っているのは、僕の彼女の阿川結子。鉄工所の事務員の24歳の女だ。

「明日のデート、どこ行くまこっちゃん?」

「あ、明日はねぇ、姪のさっちゃんの面倒を見なきゃいけないんだ。まだ、6歳だから」

結子は、ソファーの上に体育座りして、

「デートに連れて行こ?」

「あのなぁ~、さっちゃんめちゃめちゃ大変だよ!面倒見るの。すぐ居なくなるし、すぐ泣くし」

「私、保育士になるのが夢だったんだけど、子供の面倒みるの得意よ」

「結子がそう言うならデートに連れて行こう。明日の朝8時に叔母さんが連れてくるから」

「分かった」


2人は寝室に行き、平日の疲れがたまっていたのだろうか?直ぐに眠りに落ちた。


ピーンポーン


と、部屋のインターホンが鳴る。その音で目覚めた僕は、ベッドから降りて、ドアを開いた。

「おはよう、誠君。今日は悪いわね。さち子の面倒を見てもらえて助かったわ。法事だから、さち子がうるさいと迷惑だから。夜の7時には迎えにくるわ。あと、これ少ないけど、これでお昼食べて」

と、叔母さんは僕に1万円札を渡した。

「さち子、ご挨拶は?」

「ヨロシク!誠!」

「よ、よろしく」

叔母さんは逃げるように、玄関から去った。


「あっ、かわいい。お名前何て言うの?」

「お姉さん、人の名前を聞く前に自分の名前を名乗るのが大人の世界よ!」

「ごめんね。お姉さんは阿川結子です」

「中山さち子です。みんなは、さっちゃんと呼んでます」

「これから、誠お兄さんと、3人で遊園地行かない?」

「遊園地……、安上がりなデートだな」

僕はさち子の胸ぐらを掴み、

「さっちゃん、言うこと聞かないと全部ママに話して、叱ってもらうからな!」

「オヤジはだまってろよ!ね?結子」

「ゆ、結子?」

「ほら、昨日話した通りだろ?」

「……うん」


大人2人は、着替えて遊園地へ向かった。さっちゃんがソフトクリームを所望したので、3つ買ってベンチで食べた。

「何?2人はもうチューしたん?」

と、さっちゃんが言う。

僕らは目を合わせて、

「してないよ」

と、答えた。さっちゃんは口の周りをクリームだらけにした。

やっぱり、ガキはガキだ。結子がウエットティッシュでキレイにクリームを拭きとってあげた。

さっちゃんは結子に、

「お姉さんありがとう」

と、素直にお礼を言った。


「さっちゃん、乗り物何に乗りたい?」

「メリーゴーランド!」

「じゃ、オジサンは見ててあげるから、1人で列に並んで!」

「やだやだ、オジサンも一緒!」

「オジサンちょっと、トイレ行ってくる」

「どうせ、ウソでしょ!ここにいて!」

「お、お姉さんじゃダメかな?」

と、結子が気を遣って言うと、

「3人で乗るの!あっ、順番だ!」

3人はメリーゴーランドの馬の上に股がった。


!!ウッ!こりゃ、強烈だ!ウンコがしたい!

ケツの筋肉を総動員させなきゃ、ヤバイ。

「オジサン、顔色わるいよ!」

「へ、平気さ!」

「……おっ、オジサン、ウンコしたいんでしょ?」

「……いいや」

すると、さっちゃんは結子に、

「お姉さん、オジサンを揺らしておやりっ!」

「な、何で?」

「いつも、生意気だから、お仕置きよっ!」


結子は隣の僕を前後に揺らした。

クッ!も、漏れそうだ。

しかし、直ぐにメリーゴーランドは停止した。


これで、やっとかの思いで、トイレへ向かってヨチヨチ歩きした。

大股で歩くのは危険極まりない。


フゥ、先が見えてきた。

その時だ、

「オジサン、討ち取ったり!ヤー」

さっちゃんは僕にカンチョーした。

しかし、ケツの筋肉を締めていた為、大事には至らなかった。

「もう、さっちゃんたら。こんなカワイイお指でオジサンのアナルを狙うとは、まだまだ子供だねぇ~」


ブッ!


「だ、誰?今、オナラしたの」

「オジサンだよ!」


僕は焦った。放屁と同時にちょっと実が出た。

また、さっちゃんが僕にカンチョーした。

すると、

「うわっ!クサ~イ!お姉さん、指がウンコの匂いがするぅ~」

結子は、

「まこっちゃん、漏らしたの?」

「ちょびっとね」

「オジサンのうそつき!1本まるごと漏らしてるじゃん!」

「何が?」

「オジサン、立ち方変よ!」


うわぁぁぁ~。

僕は走った!どこまでも走った!


筋肉なんかカンケーねぇ。

僕は帰宅すると、洗濯とシャワーを浴びた。

少ししてから、結子とさっちゃんが帰宅した。

さっちゃんは洗面所で、泣きながら指をキレイに洗った。


それ以来、さっちゃんは僕にはカンチョーはおろか、生意気な言葉を吐くことはなくなった。

きっと、カンチョーで悟ったのであろう。大人をバカにしていると、大変な目に遭うことを。

それから、1年後、僕と結子は結婚した。

さっちゃんは小学1年生になり、わがままを言わなくなったらしい。


終わり

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姪のさっちゃん【KAC20235】 羽弦トリス @September-0919

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