学校と筋肉
まどうふ
第1話 イメージ
僕の唯一頑張っているところは小学校二年生の時から毎日格闘技を父親に教わってる事。
「おっと。大丈夫?」
「あ、はい大丈夫です。ありがとうございます」
「いえいえ、それじゃあ僕はこれで」
休み時間、図書室に来ていた。
図書委員の子が大量の本を持って本棚に入れようと移動してたところ、本が倒れそうだったので支えてあげた。
教室に戻り水着を持って更衣室へ行く。
「遅かったな樋口。今日は待ちに待ったプールだぞ!」
「う、うん」
「なんだ、プール苦手なのか?それとも泳げないとか?」
「泳げなくはないんだけど、ちょっと苦手で」
そう言いながら水着に着替える。
「樋口!お前.....」
「どうしたの?」
「なんだその筋肉は?!」
────────プールサイド前
「みんなプールサイドに行く前にシャワー浴びてから来てくださーい!」
「このシャワー冷たいんだよなー」
「そうだね...うわっ!冷た!」
「やっば!冷たすぎ、早く出ようぜ!」
「ああ」
「ふぅ」
髪の毛を上にあげ結ぶようにし、必然的にオールバックになる。
「お前はちゃんとしたらカッコイイんだよなぁ。あーあぁ勿体ない。驚くぞクラスの皆が」
「え?誰あのイケメン」
「ほんとだ誰?」
「あれ、樋口じゃない?」
「確かによく見たらそう見えなくはない」
「ほらきたぞ。普段前髪で顔がほとんど見えてないせいで陰の方だと、オタクだと思われてる樋口くん?」
「確かに思われてるけどそこまで話題にならな.....」
「ねえ!樋口だよね?」
「え?あっはい」
「やっぱりー!」
「めっちゃカッコイイじゃん!普段からそうすればいいのに!」
「そ....それは」
「てか腹筋触っていい?」
「あ....うん」
「ありがとー!うっわやっば」
「めっちゃカチカチじゃん」
「ねー!樋口腹筋やばい!」
「えっ!マジ?」
「私も触りたーい!」
「私もー!」
「腹筋なら俺もあるぞ!ちょくちょく筋トレしてるからな!」
「あんたの腹筋はいいのよ」
「なんでだよ!やっぱり顔か!顔なのか!」
「友達が皆に人気になるのは俺としても嬉しいことだけどよ.....顔だけでちょっと印象が変わるぐらいだと思ったら、腹筋で人気者になりやがった」
この日以来僕のイメージが変わり、僕に腹筋を触らせてという女子や、見せてと言う男子が増え、友達も増えた。筋肉なんて役に立たないと思った僕がバカだった。ありがとう筋肉。
学校と筋肉 まどうふ @Madoohu
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