筋肉と美少年
@curisutofa
筋肉と美少年
『はっはっはっ』
『君の身体はかなり完成されていると感じるけれど、鍛錬に手を抜かずに一日も休まないね』
同じ学び舎の男子寮で生活をしている、
『はっはっはっ。一日でも鍛錬を怠れば筋肉は直ぐに衰える。代わりに夜の睡眠は十分に取っている』
ご父君から送られて来た高級菓子を、
『君の筋肉は同学年の中では一番完成していると感じるけれど、何かに急き立てられているかのように鍛錬を行っているね』
自分の学友には鋭い人物が多いので、隠すだけ無駄だと思い。
『はっはっはっ。自分には筋肉しか取り柄が無い。総合成績順位で首席でもある
休む事無く腕立て伏せをしながら答えた自分に対して、同じ学び舎で過ごしている
『私も入学当初は対抗意識を抱いたけれどね。特に次席の
『はっはっはっ。過去形のように聞こえるが?』
自分の確認に対して
『世の中には、どれ程努力を重ねても絶対に追い付けない
『はっはっはっ。同感だ』
自分が同意を示すと、彼は少しだけ意外そうな表情を浮かべて。
『追い付けないと解っているのに、何故努力を続けるのかな?』
『はっはっはっ。別次元の存在と自らを比較するのを完全に諦めれば、競争相手だと意識をせずに済む』
自分になりに思い悩んで到達した結論を聞いた彼は、
『自己鍛錬と対抗意識は別物だという訳だね』
『はっはっはっ。少なくとも自分はそう考えるようにしている』
日課の腕立て伏せを終えた自分が床から立ち上がると、
『話せて良かったよ。君と知り合えただけでも、入学した甲斐があると感じたよ♪』
手拭いで汗を拭いながら自分も笑顔で応じて。
『自分こそ良き学友に恵まれたと感謝をしている』
彼は明るい笑顔を自分に対して向けると、お裾分けとして持って来てくれた高級菓子を差し出して。
『鍛錬の後の甘いお菓子は格別だよ♪』
差し出された高級菓子を受け取った自分は、一口食べてから満面の笑みを見せて。
『うむ。その通りだ。全身の筋肉が喜んでいるのを感じる♪』
筋肉と美少年 @curisutofa
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます