伝説?
不明
伝説?
世界に魔王が復活した。
現代の勇者を見つけるべく王は街中の人間をかき集め古き勇者が封印した、岩に突き刺さる勇者の剣を抜ける人間を探していた。
そんな剣を抜くため長い行列の中に不安げな少年がいた。
「自分に抜けるかな」
それを呆れたように。
「ちょっと、あんたは勇者の子孫なんだからもう少し胸を張りなさいよ」
と後ろに並ぶ幼馴染の少女がそう言う。
少年は少女が言うように勇者の子孫。なのだがまだ十四歳、体は小さく性格も弱気と勇者の子孫には見えない。
「でも……前の人の方が」
少年は目線を前にやると少年の三倍の体格で筋肉ムキムキ男が並んでいた。
「無理無理、いくら体を鍛えていようがあの剣は抜けない」
少女は首を振りながらため息をつくと、少年の前に並ぶ体のごつい男が剣の前に立つ。
男は両手でしっかりと柄を握り、剣を引き抜こうとするもびくともしない。
「ほらね」
少女は鼻で笑って見せた。
「お主は勇者の器ではないようじゃな。ほれ次の者前へ」
王がお決まりのセリフを吐き次の番、少年の順番を促すが男は立ち退かない。
「……何で、何で毎日スクワット千回、腹筋千回、腕立て伏せ千回、百キロランニングして鍛えてんのに抜けねえんだよ‼」
王の言葉が頭に来たのか、ごつい男は剣の柄を放すと岩の部分を思いっきり殴った。すると……
『ポロッ』
殴った反応で剣が抜けたのだ。
それを見た王は口をぽっかりとして数秒間唖然としていたが、『ハッ』と気を取り直してごつい男のそばによる。
「お、お~お主がゆ、勇者の器だったのか」
そう言うと照れるごつい男の手を握り、剣と共に天にかかげる。
「やっぱりああ言う人が勇者になるんだね!」
目を輝かせながらごつい男を見つめる中。
『『ちゃんと封印しろよ』』と少年を除く国民みんなが心の中で旧勇者にあきれていた。
その後ごつい男は魔王を倒しに旅に出たが、普通に世界が滅んだのは言うまでもない。
伝説? 不明 @fumei
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