5話目
持ち前のクレバーなプレーでは年々衰える敏捷性を補えなくなってきた小寺先輩、三十路を迎える前に引退しスポーツ用品店に勤務を始めた。小寺夫人と早くに授かった子どもたち、そんな家庭を支え続けた。太谷大治は敬愛する小寺先輩がいなくてもラグビーに邁進し続けた。太谷の恵まれた身体とその能力は、ラグビー選手としては長命な四十路直前まで引退を遅らせた。
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