第12話 紫の指輪

崩れ落ちそうになるリオを片手で支えると、リオが耳元で、

「リオを救いたければ今すぐ言う事を聞いて、もう力が無くなるわ」


その瞬間景色が灰色に染まった、時間がゆっくり動いている。


「全力で【おはぎ弾】を奴に撃ち続けて」

「MPが切れたら、奴の【空間魔法スキル】をコピー」

「コピーしたら、奴が振り下ろそうとしている逆の手に紫の大きな指輪が見えるでしょ?」

「その指輪を奴の指ごと握って、『行け』って念じて!」

「後は私が何とかするから、それじゃ行くわよ」


こちらの返事も待たずに景色の色が戻り始める。暖かく眩しい声の横槍で収まった怒りがまた膨れだす。


「探す手間が省けてまとめて燃やせるな、お前は良いゴミだ」


戯言で余裕を見せている間にリオを片手に抱えながら、空いている手のひらを奴に向け怒りに任せ土魔法を打ち込む。


「いっけえ!!」


魔力の少ない土の塊は魔法防御が働かず、動きを止めるに充分な目潰しになった。


ログが流れる


【土魔法がLv2になりました】


続いて

【空間魔法をコピーしますか? YES・NO】

【空間魔法 Lv1をコピーしました】


そして、奴の紫の指輪を握ると叫ぶ


「飛べ!」


ブォンと耳慣れない音が聞こえて、景色が光に包まれる。

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