第8話 血の繋がり

4歳になった。


【言語理解スキル】が2になって、意味のある会話ができるようになった。

話せるようになって、この世界の事、スキルや魔法の事、じいちゃん、ばあちゃんの事、

色々聞く毎日が続いた。


「ヨアは、毎日、聞くことがなくならないねぇ、ごはんもゆっくり食べないと」


「じいちゃんもばあちゃんもお仕事して、ご飯食べたら寝ちゃうから、ごはんの時しか、たくさん話せない」


「でもおじいさんも、私も難しいことは分からないから、ねぇ、おじいさん」


「そうじゃのぅ…畑のことなら、こたえられるんじゃがのぅ…」


「大きくなったら、街に行ってたくさん調べて、おじいさんと私にも色々教えて頂戴ね」


「街って、遠いの?」


「そうじゃのぅ…、歩いて10日くらいじゃから、そんなに遠くないかの、遠くないが、魔物がおるでの」


「魔物は怖いから、ひとりで行かないようにね」


(遠くないのか、そして魔物!)


魔法とスキルは当然の世界、そして魔物、人以外の種族


知識がここは異世界と教えてくれた。


「にいにー!、にいにー!」


2歳になったリオがよちよち歩きでこちらに歩いてくる。ダーティプロンドというのだろうか、黒色では無い少しくすんだ金色の髪とはっきりとした目鼻立ちが血の繋がりを否定している。


言葉が話せるようになって、リオに記憶はある?って確認したけど、泣かれるばかりだった。


確信はないけど、リオはただの無属性の子供だ。


「ヨアは泣かなくて、全く手のかからない子だったけど、リオは泣き疲れてからしか寝ない子だねぇ」


違いがあっても、

たくさんあっても、

血のつながりが無くても、

いつも後ろについてくるリオはたった一人の妹には変わりはない。

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