第17話 ご褒美のキス

「あーくんが頑張ったご褒美にキスしてあげる」


 そういえば、ふゆ姉はそんなことをいってたね。けど結果は散々だったし気持ちは落ち込んでいた。


「ごめん、そんな気分じゃないんだ‥‥‥」


 てか、姉たちの白組が優勝してるじゃん。そんな自分の中では散々だったレースの終盤は、白組のはる姉の女子の中でも速い走りで他の女子を突き放していく。

 なので、ふゆ姉は関係ない気が‥‥‥。


「じゃあ、あーくんが私にご褒美のキスを‥‥‥」


「なにしているのよ、ふゆ!」そう言って現れるはる姉。


 なんか、最近これがテンプレ化しているな。


「なによ!お姉ちゃんが外で『あーくん! あーくん!』って言って他の生徒にアホがバレそうになって恥ずかしがっているところを私は遠めで見てしまい共感性羞恥になったのを考えてよ」


 長い上にめちゃくちゃ私情。


「うっ、私の走りもあり白組が優勝したのだから私にキスをしてよ。あーくん」


「いや、私の応援のおかげね。あっくんキスしてね」


 なんか、子どもの頃みたいだな。そう思い今までの悩みが緩和された。


「ありがとう。はる姉、ふゆ姉」


「「じゃあ、キスね」」


 そう言って、幼少期の頃のように二人とキスをする。


 しかし、昔と変わった点は頬にキスをするのではなく。口同士になったことだろう。


 そうして、二人に揉みくちゃにされた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る