第4話 『どうぶつの林』

 

 ゲーム内容はほのぼの自由に暮らしていくゲーム。しかし家の増築という体で、無期限、無利子、無審査でお金を狸に貢ぐゲーム。


 そして、逃げ出せない島で自然豊かな生活を謳歌おうかできるゲームだ。


「ゲームの中でもお金を貢がないでよ。ふゆ姉」


「あっくん、人の好意はありがたく受け取るんだよ?」


 僕はバイトが許されてない、特に姉たち二人からやらなくていいと言われている。


 欲しいものがあったら、買ってあげると言われてダメ人間の道を辿っている。


 いつかは姉たちからバイトの許しを貰うつもりである。

 うちの高校は部活によっては活動頻度が少ないのもあるためバイトと両立ができる。


 部屋にはテレビに対して座れるベットがある。

 僕はベットの上に座りゲームを始める。ふゆ姉はベットに寝っ転がりながら始めた。


 ふゆ姉はベットに横向きで寝ながら、僕の脇の下から腹にかけて腕を回す。


 その体勢のまま、両手でコントローラー使いキャラクターを操作する。


「ふゆ姉?」


悪魔はるがいないうちに……でもあっくんの腕で画面が少し見づらい」


「なら、この体勢止めたら?」


「それは違う」


 はる姉は食器の洗い物があるため少し参加遅れる。


「家の増築全て終わるくらいのお金はお姉ちゃんが頑張って稼ぐから」


 そんな、ゲームの根幹こんかんすらも破壊する発言をしているふゆ姉。突然、僕たち二人がいる部屋のドアが開く。


「なーにしているの?ふゆ!あーくん?」


「見ての通り、ゲームを……」


「プレイの仕方よ!し、か、た!」


「早かったね」


 ふゆ姉は、はる姉が五人分の食器をここまで短時間で終わらすのを予想してなかったらしい。


「洗い物、お母さんが代わってくれたの」


 そういうと、はる姉が僕の太腿ふとももに頭を乗せる。


 僕の腹に抱きつくふゆ姉の手が気持ち強くなった気がする。


「あっくんは私が完璧に理解してるからね」


「あーくん?嫌なことは、嫌って言わないとふゆが勘違いしちゃうからね。ふゆだからまだ許せるけど。あっくんは他の女の子にまで誘惑されちゃダメだよ?でも、私は好きだから仕方がないよね。それに愛し合う二人だもん」


 はる姉の言葉は無視してゲームを楽しむ。


 二人の姉たちはゲーム内のスコップを使い地面に落とし穴を作り互いに妨害しあった。


 案外ゲームを楽しんでいるのかもしれない。


 僕は二人を無視して釣りを楽しむ。



 僕はゲームをセーブせずにリセットすると怒ってくれるキャラクターが好きだった。


 そのキャラクターの言葉を聞きたいがために、わざとリセットするほど……。


「普段の生活の中にリセットなんかないやろ?」


 そんな、彼の言葉を思い出した。


 僕たちの関係はリセットできないしオートセーブで毎回塗り替えられていく――。


 どこで選択肢間違えたかな?

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