第一章 入学

第1話 品行方正


「今日の委員会定例会を終わりにします」


 長女の夏樹なつきはるは、二年生にして生徒会の副会長を務めるほど優秀であった。


 性格は太陽のように明るく、運動神経抜群でよく運動部からお誘いが来ていたがバイトや生徒会が忙しいと言っていつも断っていた。


 でも、時たまに助っ人として参加しているから運動は好きらしい。


  日本では珍しい薄い緑で翡翠ひすい色のような髪の毛はサイドに流すような少し長めの髪型。


 可憐で厳格で清楚な面構え、行動力があり同学年のクラスの男子から少なからず恋心を持たれていた。


「うらめやましい」


「なんだ、そりゃ」


 複数の男の友人から、弟の俺から仲良くしてゆくゆくは姉に……みたいな考え方をしている奴らがいたが、姉たちのガードの高さに諦めかけている。


「羨ましいと恨めしいの複合言葉。あの、はる先輩と一つ屋根の下で暮らせるとか、俺なら死ねるね」


「なら、そのまま死んでてくれ」


 笑いながら軽くいなす。昔から同学年に嫉妬関係でよくいじられるがもう慣れた。

 あるとき男の先輩から、姉貴の連絡先を頼まれた時は大変だった。


 本当にはる姉は完璧な人だよ、外面は。


 家での性格を知ったら幻滅‥‥‥。いや、喜ぶのか?

 学校では品行方正で成績も良くて先生たちからの信頼も厚い。

 しかし、家に帰った途端にだらしなくなる。

 制服のままソファーに寝転びながらテレビを見ていて、時々あくびをしながら家事をする。


「ただいまー!疲れた〜」


「おかえりなさい」


「うん!」


 そう言って靴を脱いでリビングに入って来るなりソファーに座ってクッションを抱え込む。


 これが我が家の日常である。

 僕はため息をつく。

 この人は本当に大丈夫なんだろうか?


本当にはる姉は完璧な人だよ、外面は。


 家での性格を知ったら幻滅‥‥‥。いや、喜ぶのか?

 学校では品行方正で成績も良くて先生たちからの信頼も厚い。

 しかし、家に帰った途端にだらしなくなる。

 制服のままソファーに寝転びながらテレビを見ていて、時々あくびをしながら家事をする。


「ただいまー!疲れた〜」


「おかえりなさい」


「うん!」


 そう言って靴を脱いでリビングに入ってくると、はる姉はソファーに座り、クッションを抱え込んでくつろいでいた。


 これが我が家の日常である。

 僕はため息をつく。

 この姉は本当に大丈夫なんだろうか、と不安がよぎる。


 

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