毒親が男を連れ込んでいる間、深夜徘徊と言うなの散歩をしていたら狼女と生活することになった件
るるかチャンネル
第1話:深夜徘徊する中学2年生はオオカミ女を飼うことに
今、俺の目の前で金髪美少女が土下座して貴方の物にしてくださいと懇願してきてるのだが。これをどうするべきか?
俺は週1で深夜徘徊をしている。
深夜徘徊とは!?かんたんに言うと深夜に目的もなく、うろつくこと。
現在14歳、厨二病…。いや、リアル中二の俺が深夜にうろつくと最悪、警察に補導される可能性がある。
ただ、俺の場合は深夜徘徊する必要がある。
原因は毒親。親ガチャで言うとノーマル以下。
俺が物心付く前から親父はいなかった。片親のあいつは飲み屋で働いているので深夜に酔って帰ってくる。
そして週に1回程度、男を連れてくる。
俺が隣の部屋にいることもお構いなしで、アレを始める。
あいつは気にしないのかも知れないが、あんな場所にいられるはずがない。
だから俺はあいつが男を連れて来る日は。気づいたら窓から外に出て深夜徘徊をしている。
田舎だからなのか?深夜に警察が巡回していることもなく。奇跡的に補導されたことが無い。
正直。補導されれば今の現状を大人に伝えられるので、それはそれで有りだと思っているけど、世の中思い通りに行かないのは中二の俺でもわかる。神は不平等だ。
そんな神に愚痴を言いながら、今日も絶賛深夜徘徊をしてるわけだが。
目的は無い深夜徘徊でも、ある程度ルートは決まってる。
大体2時間も深夜徘徊すれば、アレは終わってるので家から右回り公園通るルートと、左回り公園通るルートを交互に徘徊している。
流石に2時間も徘徊すると疲れるので、公園で1時間ほど休憩をする。だから公園は絶対外せない。
今日は左回りルートで30分ほど徘徊して公園に着く。目的地がある時点で【深夜の散歩】で徘徊と言わないかも知れないけど。何か深夜徘徊って言葉カッコいいじゃん。
ちゃんと俺は厨二心を持っているのだ。
そんな周りから見れば痛過ぎるし、深夜に中学生が公園にいる状況はダメダメ過ぎるが。今回も1時間ほど公園のベンチで休憩。
ここで深夜の秘密特訓でもしようとも思ったけど、深夜徘徊している理由も含めると何か悲しくなったのでやめた。
スマホを見るともう家を出て1時間半。そろそろ帰ろうとベンチから立つと。
公園のアスレチックがある方から、女性の叫び声が聞こえた。
『キャー!!助けて〜〜〜』『誰か〜』
静まり返った深夜の公園で鬼気迫る叫び声に恐怖心が込み上げてきたけど、それでも叫び声がする方へ体が勝手に動いていた。
女性の声が聞こえた方へ駆けつけると、公園の弱い街灯ではハッキリ顔が見えないが、大男が女性の腕を掴んでいて、それを必死に外そうとしている女性が見えた。
思わず俺は。
『やめろ』『警察に通報した』と大男に叫んだ。
これで大男が逃げてくれたらラッキーだったが、大男は女性を突き飛ばすと俺の方に猛烈な速さで迫ってきた。
突き飛ばされて、馬乗り状態で上に乗られた。
離れた距離では分かんなかったけど。こいつ絶対人間じゃない。
体は人間だけど顔は多分オオカミ!?冷静に思考回路は動いている。
そしてオオカミ男が俺の顔に噛みつこうとしてきた。
こいつに顔を噛まれたら大変なことになるのは感覚的に分かったので、咄嗟に右手を顔の間に出した。思いっ切り噛まれてます。
右腕がめちゃくちゃ痛い。
めっちゃ血も出てる。ただ、意味が分からな過ぎることが自分に起きて、何故か逆に人ごとみたいに冷静になれてる俺がいる。
思考が冷静になると、左手に触れてる石に気づいた、右手を噛むのに夢中なオオカミ男(仮)の鼻っぱしらを石でぶん殴った。
『ギャフン』
マンガの中でしか聞いたことの無い鳴き声をあげて倒れるオオカミ男。
様子を伺うと、どんどんサイズが小さくなっていく。そして最終的には金髪の女の子になった。
オオカミ男ではなく、オオカミ女!?
しかも先ほどまでは毛深く覆われていた体が小さくなるにつれて。
全身の毛もなくなり。裸の女性の出来上がり。
目の前の出来事に集中して一瞬忘れてたが、右腕が痛過ぎる。
思いっきり噛まれた場所からは血が流れ出てる。
そんな状態だが、最初に叫び声を上げた女性の存在を思い出し、この裸女性を放置して女性が突き飛ばされた方へ。
だがそこに女性はいなかった。
不思議だったが、オオカミ女の方へ再度戻る。
どうしたものか?この状態だけを見られると。
【衝撃:某〇〇中学の男子が夜中に家を抜け出し公園で美女を襲った/普段から怪しいと噂の中学生に迫る】
マスコミが喜びそうなニュースが出来上がってしまう。
正直怖いが、着ていたジャージの上着を彼女に被せた状態で揺すって起こして見る。
『う〜〜〜〜う』『鼻が痛いよっ』
喋った!!
最悪オオカミ女なら喋れない場合もあると思ってたけど、どうやら人間の言葉が喋れるようだ。
そして・・・次の瞬間!!
『きゃ〜〜〜痴漢』
はぁっ?お前が人襲ってて、しかも俺も襲われたんだが!?何言ってんだコイツ。
『待て、お前が襲ってきたんだぞ!!女性を襲ってたお前を止めようとしたら』
『右手思いっきり噛まれて。咄嗟に石で殴ったらオオカミから人になった』
軽く端折りながら経緯を説明。彼女も思うところがあったらしく。
土下座しています。ここから冒頭に戻る訳だが。
どうやら、1対1の勝負で(今回が勝負か微妙な気がするけど)オオカミ女が負けた場合は、勝った男の所有物になる決まりがあるらしい。
なので貴方の物にしてくださいと土下座される。
少し前に殺されかけたオオカミ女って部分はヤバいけど、正直今の金髪美女の状態で貴方の物にしてくださいは、中二心が擽られる部分はある。
ただ…。貴方の物とは!?
『貴方の物にしてくださいってどうゆう意味ですか?』
はい。聞き方が悪かったですね。
『ピーをピーしてピーで』『ピーピーやピーでピーな』『最後は貴方のピーで』
完全18禁です。中学二年生では自主規制で何を言ってるかわからない状況になりそうです。
規制用語を一通り連発した後に、オオカミ女は。
『忘れてました、私の名前はミカです』
『貴方の名前は?』
『右腕も直しますね。ホイっ』
『とりあえず貴方と一緒に住むから貴方の家に帰りましょう』
一気に捲し立てて喋り出す。
名前名乗って、名前聞くついでに血が出てた腕が一瞬で治って…。更に家に一緒に帰るとか言い出してますが?情報量多すぎだろ。
『ミカさんですね。俺の名前はルカ』『何で腕治ったの?』『家に連れてくのは無理』
最後に家に連れて帰るのは断固として拒否しないとダメだよな。どこの世界線に深夜徘徊してたら実家に金髪美女を連れて帰るルートがあるんだよ。
『さんとかいらないです。ミカです』
『腕は魔法で治しました、痛かったですよねごめんなさい』
『いえ決定事項なので、何て言われても付いていきます』
シレッと魔法って言葉がでたけど、最初【狼人間】だったことを考えると何故か驚くほど衝撃が少ない。
それよりも初対面の女性を呼び捨ては、まだ彼女もできたことが無い俺にはレベル高いよ。
『いや、みかさん』すかさず『ミカです』『さんはいりません』
凄みに負けました。
『ミカ。。。本当無理だから、深夜に金髪美女連れて帰ってきたとか。親に言えないよ』
あの毒親なら意外と何も言わないかも知れないが普通無理だろ。
『ルカ様のお家は女性を家に連れて帰るのがダメなのですか?』
『俺んち以外でも大抵の家はダメだろ』
何かミカが考えている。
『それならコレでは如何ですか?エぃ!!』
『ミカ狼バージョン/小』
目の前には可愛い子犬が現れた!!狼バージョン小!?
『この状態なら大丈夫ですよね?この狼/小と狼人間と人間バージョンは好きに変われます。』
『この状態ならほぼ見た目は犬なので、母上様に捨て犬拾ってきた言って頂ければ解決するんじゃないですか?』
全然大丈夫じゃないが、結局押し切られる形で実家へ。
流石にこの時間にアレを終えて寝ているアイツを起こして説明するのも嫌だったので…子犬状態のミカと一緒にとりあえず眠った。
この日を境に深夜徘徊する位しか、他の中学生と変わらなかった俺の生活が一変することを、まだ俺はこの時知らなかった。
毒親が男を連れ込んでいる間、深夜徘徊と言うなの散歩をしていたら狼女と生活することになった件 るるかチャンネル @rurukada
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます