第3話性をお金で買う男

今日はこのお店までですよ。

あ、まだまだそこの角を曲がったところまでね。


はー?この男、女性の了承をお金で買いやがった。


今日は手をつなぐという目的を達成したので満足です。


はー??アゲーン(←againのこと)

強引に手をつながせやがった。女性が断れないことをいいことに。


2,3ヶ月に1回程度食事に行ったり、スポーツやイベントに一緒に参加したり。

そんな男性と1,2年お付き合いがあったらしい。

彼女は肉体関係は望んでおらず、相手の男性にもその旨はきちんと伝えていた。なのでその男性はそこまでのお付き合いしかできないことは了承していたし、彼女はその男性に性的魅力を微塵も感じていなかったとさ。笑


そんな関係で、ついに男性が一歩踏み出そうとしたのだろうが、普段より高級なランチに行った後の帰り道、こんな出来事に発展したのだ。

女性は高価なランチをご馳走になっているだけあって、断れない。さすがにご馳走になっておいて、「嫌です気持ち悪い」なんて正直に言えなかったらしい。笑


女性にしてみれば、大した魅力もない男性と食事したり遊びに行ったりするのは、男性がお金を出してくれるからであって、お金を出してもらった分のお返しはお話の聞き役や素敵な時間の提供なのだ。なのに男性は、お金を出した分の代償をそういう体の触れ合いにもっていこうとする。男女の心理学的違いから、そうしたニーズの不一致は仕方のないことだけど、それを相手の明確な同意もないのに押し付けてきたこの男性は正に、性をお金で買う残念な男性という生き物に認定せざるを得ない。


きっと次はランチの後に、


今日はホテルまでですよ。

あ、まだまだ部屋に入ったところまでね。


などと言って強要する行為のレベルを上げてくるに違いない。

『手繋ぎ男』が『ホテル強要男』に進化するのは確実だ。



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