アレは人?いや、洗濯物か…

ノツノノ

アレは人?いや、洗濯物か…

寝る直前にハンバーガーが食べたくなった。


「ヤベェ…全く寝れん」


深夜、寝る直前に何故かお腹が空く。

いつもなら食パンを焼いたり、おにぎりを作ってやり過ごすのだが、今日はハンバーガーが食べたい。


「まだやってるかな?」


スマホで近くのハンバーガー屋を検索する。

現在の時刻10時、ハンバーガー屋は11時までやっているようだ。


「行くか」


速やかに準備を始めた。

服を着替え財布を持ち、外へ出る。


「寒っ」


外は当たり前だが寒い。

帰ったら、お風呂でまた暖まるべきだと思った。


(怖くね?)


私は基本的に9時以降は出歩かない、理由は2つ。

まずいつもは普通に寝てるのと、私の住んでる地域は街灯が少ないから。


田舎と呼ぶには家が多く、都会というには何もない。

そのせいか夜間に出歩く人は少ない。


(街灯が少ないのは知ってたが、こんなに暗いのか)


当たり前だが昼間は明るい。

いつも使ってる道なら、目をつぶってても景色がなんとなくわかる。

だが暗いと、いつもの景色はわからない。


まず、街灯に照らされている所しかよく見えない。

家の模様、植木の形、などは少し暗いとわからなくなってしまう。


(あそこ何か居る…なんだ、自転車か)


家の角から少し見えていた自転車。

暗いとそこにナニカがある事はわかるが、その正体をハッキリさせるには近づくかライトで照らすしかない。


(怖ぇ)


一度そのように考えてしまったら大変。

電柱の柱の裏、家の角、植え込み、そこから僅かに見えるナニカ

アレはなんだ?


(アレは人か…いや、洗濯物)


正体の分からない物は怖いと感じる。

その正体がおかしい所など何もない雑貨だとしても。


(走るか…)


走る、ハンバーガー屋に向かって走る。

隙間から誰か見てる気がする、頭は気のせいだと理解しているが気持ちはそうではないようで。


(怖い…)


怖い感情を無視して走り、


「はぁはぁ、着いた…」


なんとかハンバーガー屋に辿り着いた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

アレは人?いや、洗濯物か… ノツノノ @pannda1617491021

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ