11人いない！

第1話 ついに念願の練習試合！

登場人物

サッカー部員Ａ〜Ｊ

上手からサッカー部員Ａ〜Ｊ登場、舞台中央で円陣を組む

Ａ

「よし、これから、練習試合をするぞ、フォーメーションは4-3-2-1だ。それぞれポジションにつけ！」

Ｂ~Ｊ

「はい！、キャプテン」

上手から、下手に向かい、等間隔に、四列に並ぶ。

客席から、ＡＢＣＤ、ＥＦＧ、ＨＩ、Ｊの四列に。

図示すると、 　

　　　　　奥

　　Ｊ　Ｉ　Ｇ　Ｄ

下　　　Ｈ　Ｆ　Ｃ　上

手　　　　　Ｅ　Ｂ　手

　　　　　　　　Ａ

　客席

のように、

各々が準備運動を始める。

Ａ

「おい、ちょっと待て！　なんでおまえら三人、俺の横にいるんだ？」

Ｂ

「え、今日のフォーメーション、4-3-2-1だって言ったのキャプテンじゃないすか、なあ」

ＣＤ

「そうっすそうっす」

Ａ

「いやいやいや。4-3-2-1っていうのは、キーパーの俺がいて、その前に、四人、三人、二人、一人いるっていうフォーメーションだろうが」

Ｊ

「あのー、すいません。キャプテン」

Ａ

「遠くから急に喋るなー！、びっくりしたー、えーなんって？」

Ｊ

「僕がキーパーなんですけど」

Ａ

「はーあっ！？　キーパーは、俺だって」

Ｊ

「だから、キャプテンのところが４人で、３、２、僕で１。4-3-2-1のフォーメーションで合ってるじゃないですか、ねえ」

ＩＨ

「そうっすそうっす」

Ａ

「いやいやいや、待て待て待てっ！　キャプテンの俺がキーパーっだ！　なんで同じチームでキーパーが二人いるんだ？」

Ｅ

「すいませんキャプテン」

Ａ

「なんだ？　まだ話してる途中でしょうが！」

Ｅ

「あの、4-3-2-1のフォーメーションのことなんですけど」

Ａ

「4-3-2-1っていうのは、キーパーの前に四人、三人、二人、一人いるっていうフォーメーションだって今言っただろ！」

Ｅ

「多分なんですけれども、4-3-2-1って10人しかいないんじゃないかななんて、」

ＦＧ

「僕たちもそう思うんですけれど」

Ａ

「４、３、２、１……、足して10だ」

Ｅ

「キャプテン、サッカーって11人でやるスポーツじゃなかったでしたっけ」

Ａ

「11人いない！」

「あれ？　11人いない！」

「試合は？　あれ？」

Ｈ

「あの、キャプテン」

Ａ

「なんだ」

Ｈ

「多分ですけど、11人でもできないんですけど」

Ａ

「なんでだよ」

Ｈ

「サッカーって22人でやるスポーツなんです」

Ａ

「知ってるよ！！　何いってんだよ、相手チームが…………、いねえじゃねえか！　俺ら、10人しかいねえじゃねえか！　なんだよ、試合できねえじゃん……」

Ｊ

「キャプテン……、僕キーパーです」

Ａ

「いまそれどころじゃねえよ！」

Ｊ

「だから、キーパーが二人いるんですよ」

Ａ

「はあ」

Ｊ

「で、僕ら１０人いるじゃないですか、キャプテンと僕を含めて、５と５に別れたら、試合できます」

Ａ

「おお、なんだ出来んじゃん。俺らサッカーできんじゃん！」

Ｂ

「キャプテン」

Ａ

「なんだ！」

Ｂ

「それ、フットサルです。５対５でやるのはフットサルです」

一同、客席に向き、

Ａ

「えー、僕たちフットサル部！……、じゃなかった、サッカー部は現在10名しかいません。しかも、キーパーが二人という。先程の寸劇ではフォーメーションを組めていませんでしたが。現実は、試合も組めません。フットサルばかりやってます。未経験者大歓迎。フォーメーションのことどころか、ルールの分からない人でも大大大歓迎しております。もちろん！、キーパー志望でも大歓迎です！　僕たちはサッカーがしたいんです！　ぜひ一緒に！！」

一同礼。

退場。

ナレーション

「以上、演劇部の部活動紹介でした」