心の痛みと比べれば

 今日初めて自傷行為をした。



 お風呂に入ったら何故か目から涙が零れてきて。

 もう色々と限界だったのかもしれない。


 自分の気持ちを偽って、家族の前では笑ってて。友達の前でも笑ってた。

 実際普通に楽しかった時もある。


 お風呂で泣いたから、家族にバレるかなと怖かったけど。

 お風呂は響くから泣いてるのが分かるのかなと思ったけど。


 思ったよりバレないものだ。



 みんなが寝静まってから、カッターを自分の腕に当ててみた。

 ひんやりとする刃の金属。


 手首にする勇気なんてなかったから腕に刃を押し当て、ゆっくりと引いてみた。

 けれども怖くて力が入らない。汗が出てくる。

 案外人の皮膚って分厚いのかなと思って、ちょっと強めに切ってみた。



 そしたら、ジワジワと血が出てきた。


 やっぱり皮膚は薄いな。人って脆いな。


 切ったところは少し痛んだけど。

 心の痛みと比べれば全然平気だった。


 切った感触が少し癖になって、これ以上やらないようにカッターをしまって早く寝ることにした。


 自傷行為を初めてしたけど、思ってたより痛くない。

 手首じゃなくて腕というのもあるのかもしれないけれど、想像してたよりも痛くなかった。




 それ程までに、感情や痛覚が麻痺してしまっているのだろうか?

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