優しき悪魔の戦うスローライフ

シンゴペンギン🐧

第一話 はじまりの話

なんてことのないそんなあっけない終わりだった。

なんてことのない。


僕は幼い頃から、体が病弱で、10になる頃にはもう不治の病になっていた。

芥火天魔(あくたびてんま)の25歳の生はここで終わるようだ。


テレビと本やアニメ等しか僕の心を晴らすものはなく、恋も愛も知らないまま、友情も知らないまま終わるというのがまた悲しい。


家族はよくしてくれた、元気になった時に恩返ししようと様々な勉強もしていたが、意味がなくなってしまったようだ。



理由のない原因のわからない蝕む病。

手に入るだけの情報。


願わくば次の人生は健康で緩やかな人生を過ごしたいものだ。


神様には恨み言はないけれど、できるならば何故このような人生にしたのかを問いかけたいものだ。



「すまない、それは手違いだ」



死の間際、僕の耳元に凛とした声が響いた。






時間としてはどのくらいなのだろうか、事切れたと感じて、一時間ほどだろうか、白いどこかの城のようなそんな厳かな雰囲気の空間に気づけばいた。


「芥火天魔、すまないな、君の25年は私の手違いで苦労かけるものにしてしまった」


白いローブを身にまとった長身の男が現れると同時に語る。


「あなたは?」


「私は・・・そうだな、創造神とでも名乗ろうか、君がいる場所とはまた違う世界の」


創造神と名乗った男は肩をすくめ語る。


「しかし驚いたな、君はこの現状を受け入れているのか」



「ええ、まあ」


創造神の言葉に天魔は苦笑しながら頷いた。


「終わる事も望んではいたが、今この状況において希望も見たという感じかな?」


「そうですね、家族の重荷にはもうならず終わる世界に飽き飽きしてた」


「なるほど、じゃあ神の釈明は?」


「必要ないよ」


「そうか、ならば転生という形で」


「そうだね、新たな物語を紡がせてくれるなら」


創造神はふっとわらった

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