深夜コンビニへ
鯵の閉まり
第1話
お腹すいたなぁ.........。
勉強に励もうと思い机に向かったものの俺は全くやる気が起きず、ペン回しをしながら頬杖を付いていた。
もうすぐ24時を回る時間だ。
英語が大事だと言われている現代で、俺はその能力が皆無に等しいためせめて英語だけでもと机に向かったのだがこの様だ。
だってしょうがないだろ、俺バカなんだから。
なんだよ過去分詞系って........そもそも名前つけるからややこしくなるのでは?と思ったり思わなかったり、とりあえず言い訳をいいながらぼっーとしていたところで俺は空腹を覚え始めた。
「サイフ、サイフ.......」
コンビニに行こうとして、財布を探す。
昨日着た、上着のポケットにあることを思い出してそれをそのまま羽織り俺は静かで冷たい風が吹く夜の街へと出た。
♢
「ありがとうございましたぁ〜」
スナック2個と、ジュース、チキンを1つ買い袋を片手にコンビニを出た。
よしっこれで勉強できるはず!。
虚言であろうことをはきながら、家に帰る......はずだった。
帰り道、スマホを見ながら歩いていると肩に誰かの手が当たった。
「見つけた........」
「ひえっ!」
予期しないことに体が驚き、反射的に声が出てしまった。
後ろを振り返ると、銀髪の少女が俺を見ていた。
「お兄様!」
「は?」
「もぅ夢ですよぅ」
は?夢?ゆめって.........俺の妹の?
「そうです、お兄様の妹の夢です。」
いや、嘘だ夢はもっとこう.......ツンツンしているはずだぞ。
「深夜に申し訳ありません、しかしお兄様私はあの家を追い出されました。もうお兄様の横にしか私の居場所はないのです」
夢は元々親を亡くし、養われていたが。
それを追い出されたということは、次は俺ということだ。
「いえ、お兄様の邪魔はしませんし逆に私がお兄様を養います。前の家ではお兄様を養うためにたくさんお勉強しました。だから大丈夫です。夢とこのまま結婚してずぅぅっと一緒にいましょ?」
そういえば、この人ブラコンだった。
俺のことが好き過ぎて、怖かった時もあった。
そんな妹と再会した夜だった。
深夜コンビニへ 鯵の閉まり @ajikou
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