コラボ編エピローグ

その後もありとあらゆるゲームでボコボコにされまくった。


「さて、今日はこの辺で終わりにしましょう。またやりましょうね、愛さん」

「絶対にいやです」

「え!?」


ルナがショックを受けたような声を出した。だが、4時間にわたってボコボコにされたので、もう勘弁して欲しいところである。


“wwwwww”

“それはそう”

“途中参加の明らかな強者もボコボコにしてたもんな……”

“ルーナ、お前がナンバーワンだ”

“マジでプロゲーマーになれそう”


アクションゲーム(武道の応用ですわね!とかなんとかのたまっていた)や、ポーカーなんかの運がからむゲーム(期待値を計算すれば余裕ですわとかなんとか)もやったが、全く勝てなかった。


「今度は雑談配信とかにしようね」

「……そ、そうですわね」


“ルーナ様、声震えてますよ”

“もうお前とは遊ばないって言われたと思った?”


「んん!別に震えてませんわ!では、今日はここまで。みてくださった、みなさま、大変ありがとうございました。おつルナ〜」

「あなたの天使、神乃愛でした!」


最後に、趣向がバラバラの挨拶をして、配信が終わった。


……俺も、最後の挨拶ぐらいは他のVtuberに揃えたほうがいいのかもしれない。


俺は一旦通話から抜けて、配信が切れていることを確かめてから、ボイスチェンジャーを切ってもう一度入りなおす。


「お疲れ様、ルーナ。登録者、増えた?」

「ええ!同時接続数も、今日は凄かったですわ。さすが愛さんです」

「いや、どちらかと言うとあのゲームのうまさだと思うけどな」


今日の配信で、ルーナのゲームのうまさが知れ渡った。これからゲーム配信をすれば、うまいプレイをみたい人が配信にたくさんくるようになるだろう。

……頑張らないと、いつの間にか大差をつけられていそうだ。


「本当にありがとうございます、愛さん……あんなにボコボコにしたのに、なげださなかったことも」

「…………」


なぜか急に傷口に塩を塗りたくり始めるルーナ。

『ゲームでボコボコにされた』というのは俺の男の子のハートにかなり傷がはいったのだ。そっとしておいて欲しい。


「それでは、失礼いたしますわ」

「あ、うんまたね……」


今日はまだ予定があるのか、ルーナはそう言って通話を切った。

……うん?メビウスからメッセージが。


『あなたの妹、メビウスです。コラボお疲れ様でした。早く私ともコラボしてくれることを願っていますよ』


…………。

俺はとりあえず『頑張るよ』とだけ返信しておいた。

と、佳奈からもメッセージが。


『業務連絡。神乃愛のチャンネル登録者数は1日で一万人上昇。ルーナちゃんからある程度人が流れてきたのと……あと、あの半泣きが刺さったみたいだね。ふふっ。もうやめてくださいって懇願する愛、とっても可愛か』


メッセージを消去した。

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