第十三話 幹部による重大な伝え忘れ
赤木家を見送り、ピエロの仮面を脱いだ。これで俺の役目は終わりだ。さて、ちょっとコーヒーでも飲んで落ち着こうかな。
ふと下を向くと、そこにはカンペが落ちていた。どうやら、途中で落としていたらしい。男はそれを拾い上げ、全てのことを赤木家に伝えられたかおさらいした。
「あ……」
そして彼は、冷や汗をかいた。裏にも書いていたのを忘れていた。むさぼるように裏を読む。
『重要! 充電式なのを確実に伝えるように! ソリには様々な機能があるが、それを使うと充電がなくなるので、決して使用しないように言うこと!』
「忘れてたああぁぁ!!」
慌てて外に出たが、もうそこに赤木家の姿はなかった。
まあいいか。どうやって機能を使うかは教えていないし、多分大丈夫だろう。多分。おそらく。メイビー。
心の中で言い訳をしながらコーヒーを注ぐ彼の手は、かわいそうなほどに震えていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます