「右内頚動脈海綿静脈洞瘻」治療記
@fura21
第1話 はじめに
「右内頚動脈海綿静脈洞瘻(みぎないけいどうみゃくかいめんじょうみゃくどうろう)」
書くのも読むのもひと苦労な聞いたことのない病を、昨夏、突然発症した。
発症の日は猛暑を通り過ぎ、日中の最高気温が40度に達するかという酷暑日だった。時はオミクロン株が猛威を奮っていたコロナ禍真っ只中の2022年8月。東京では毎日、救急車のサイレンが街中に響き渡っていた頃である。幸いにも発症から4日目には病名の目途も立ち、治療もできることがわかった。
この記録は、コロナ禍で生まれて初めての入院・手術を体験した個人的な体験記である。発病までは人一倍健康で、健康診断以外は病院のお世話になったことがなかっただけに、検査入院を経て2回にわたる入院&手術は、すべて初めてだらけの体験だった。(過去形で書いたが現在もまだ治療中。)
入院に際して、自分ではできる限りの準備をしていたつもりだったが、知らなくて戸惑うことも多々あったし、想定を超えて精神的に追いつめられるという試練も、はたまた尋常でない幻覚体験も味わった。今思うのは、先に病院事情や患者としての心得のようなものがわかっていたら、もう少し上手に対応できたかもしれないということ。発病して初めて、私と同じような思いを抱く人も少なからずいるのではないだろうか。
病名を知ってからGoogle検索してみたが、症例が少ないらしく、患者側からの体験記録らしきものがほとんどなかった。私と同じように、突然知らない病と向き合うことになり、ネットで情報検索する人もいると思う。私の体験を記録しておくことで、そういう方の参考になったらうれしい。
先にお断りしておきたいことは、ここに記録することはあくまで私の脳内で記憶していることであって、実際に起きた現実と100%イコールではないということ。私の脳が幻覚と現実を混乱して、周囲の方と異なる記憶をしている部分もあるかと思う。それを承知した上で、私の記憶に刻まれたものを、ありのまま書き留めておきたい。
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