第72話 新たなるデスゲームの幕開け
“にいちゃんから聞いたんだけど、次のゲームで死んだら本当に死ぬらしい”
園児の間でまことしやかに噂が流れている。
誰ともなく囁かれる風聞が自分の身に降りかかることはないとみな信じたかった。
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渋谷園長はその日も機嫌が悪かった。
銀色に輝き昆虫の複眼を連想させるアルミ眼帯を時折いじりながら苦いコーヒーをすすっている。
「何か面白いことないかしら?」
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今日も獰猛なトラや猛犬の頭の前半分を前面に晒した軍用マイクロパスに乗せられて小さな兵士たちが糧食の入った背嚢を背負って送り込まれてくる。
いつものように厳格な点呼が行われ、一人も欠けることなく建物の中に送り込まれる。
しかし、兵士たちはいつもと違う異様な雰囲気を発していた。
いつもおしゃべりな兵士も今日に限っては黙りこくっている。
「はーい一時間目デース英語授業を始めますよ。」
アグネス先生が保育を始める。
ここまではいつも通りだった。
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