君を守るから♡

三愛紫月

第1話 誕生日イベント

私の名前は、佑月ゆづきれいら、22歳。

職業は、モデル。


私は、として活躍している。


有名なファッション雑誌である、【BB《ビービー》】の専属モデルをしている。

最近は、CMや映画にも参加する機会が増えたお陰で女性だけじゃなく男性ファンも増えた。


そして、今日、ファンクラブ限定で23歳のお誕生日イベントをやる事になったのだ。


「レイラーー」


「レイラーー」


会場に入る前から、沢山の人が私の名前を呼んでくれている声が聞こえていた。


「選ばれた100人だもんね」


マネージャーの静香さんは、私に笑いかけてくれる。


「どれくらい応募してきてくれたの?」


「確か、70万人ぐらいって見たけど」


静香さんは、スマホを見せながら笑っている。


「また、ファンの人のSNSで見たんですかーー」


「そうよ!」


「ずるしちゃ駄目ですよ」


「アハハ。ごめんね、レイラ」


静香さんは、そう言って笑ってくれた。


「レイラさん、お時間です」


「はーーい」


私は、ファンのみんなの前に行く。


「レイラーー」


「キャーー」


ここに立つと必要とされてる。


愛されていると実感できる。


お誕生日イベントなので、私とポラロイドで写真を撮って、握手をする。そして、直接プレゼントを渡す事も計画されていた。


皆さん、順番通りに並んでくれる。


一人当たり、時間は2分程設けられている。


私は、写真を撮って、握手をして、プレゼントを受けとるを繰り返していた。


楽しみにしてくれているファンの人と直接触れ合える事は楽しかった。


あっという間に終わってしまって、残りは、あと二人になってしまった。


「あ、あのレイラさん」


「あーー、美妃みきちゃん。元気だった?」


「はい」


私が、まだ読モデビューしたばかりの時からファンでいてくれてる女の子。


「これ、レイラさんが気に入るかな?って」


「これ、何?」


です」


「え?」


「トリって言うんです」


「そうなのね!可愛いね♡ありがとう。大切にするね」


「は、はい」


私は、美妃ちゃんから【】というぬいぐるみを受け取った。


美妃ちゃんと握手をして、写真を撮った。


「また、来年も来てね」


「も、勿論です」


美妃ちゃんは、恥ずかしそうにしながら戻っていった。


次の人で、最後ね。


私は、プレゼントを受け取りに行く。


「レイラさん、お誕生日おめでとうございます」


「あーー。里花りかちゃんじゃない」


里花ちゃんも、美妃ちゃんと同じで私が読モデビューした時からのファンだった。


「あの、これレイラさんが気に入ると思って」


「これ、何?」


って言います」


「ブッコロー?」


「はい」


「可愛いね♡ありがとう、大切にするね」


「はい」


私は、里花ちゃんから【】を受け取った。


里花ちゃんと握手をして、写真を撮った。


「また、来年も来てね」


「はい」


里花ちゃんは、嬉しそうに戻っていく。


「皆さん、今日は本当に素敵な時間をありがとうございました。皆さんからいただいたプレゼントは大切に使わせていただきます。来年もまた会いましょうね」


「レイラーー」


誕生日イベントは、無事に終了した。


「お疲れ様、レイラ」


「お疲れ様でした」


私は、皆からいただいたプレゼントを見ていた。


「中身とか確認してから渡すわね」


「はい」


「今日、持って帰りたいものはある?」



私は、静香さんにそう言って笑った。


「ぬいぐるみね!大丈夫か、すぐに確認するわね」


そう言って、静香さんと数名のスタッフさんですぐに確認作業をしてくれた。


「じゃあ、送るわね」


服を着替えたり、帰る準備をしている間にどうやら確認はすんだようだった。


「持って帰れる?」


「勿論よ」


大きめの袋の中に、トリとブッコローが入れられていた。


「ありがとう」


私は、ニコニコしながら受け取った。


車に乗り込むとすぐに静香さんが私に話しかけてくる。


「レイラは、本当にぬいぐるみが好きよね」


「静香さん、ぬいぐるみが好きなんじゃないの!ブサ可愛い物が好きなの」


私の言葉に静香さんは、「確かに」と笑っていた。


「このブッコローは、特にでしょ?」


「あーー、わかる。トリは何で?」


「ネーミングかなーー。面白かったのトリ?ってなったから!まぁーー。それだけじゃなくて、二人がくれたからってのもあるかな」


「美妃ちゃんと里花ちゃんよね」


「そう!やっぱり、大切にしたいじゃない。まだ、読モデビューしたばかりの頃から私を好きでいてくれたんだもん」


「そうね!大切にしなきゃね」


静香さんは、私のマンションの前で車を停める。


「ありがとう」


「明日は、11時には迎えに来るわ」


「はい!お疲れ様でした」


「お疲れ様」


私は、静香さんに手を振って家に帰った。

家に帰るとぬいぐるみを取り出して、テーブルの上に置く。


「あなたは、トリね!頭のツンツン三本が可愛いわねーー。で、あなたがブッコローね。この虹色のお耳が素敵ね」


私は、二体の頭を優しく撫でてから立ち上がった。


シャワーに入って、一杯だけウィスキーを飲んで、歯を磨いて、疲れたのでベッドにすぐに行って眠ってしまう。

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