やさしい夜、嬉しい夜 ~フリタン 達哉編~

サクラ堂本舗いまい あり 猫部(ΦωΦ)

やさしい夜、嬉しい夜

今日、お店は休み。

久しぶりのフリーな時間を達哉はどうすごそうか考えていた。

持て余した時間をどうするか決まらないまま外に出た。


数年前、達哉は結婚しようと思う相手がいたが、

プロポーズ直前に大怪我を負って出来ずじまいだ。


幸いなことに彼女とは今でも友人として仲良くしていた。

今度こそ彼女との結婚を真剣に考えている達哉だが

いつもはぐらかされてばかりだ。

彼女には小さな可愛い娘がいて、その子達のためにも

父親になりたいと申し出たが笑って却下された。


せめて娘達が俺のことをどう思っているのか聞けたらいいのに…。

公園のブランコに座って二度目のプロポーズをどうするか考えていた。


決心できないまま足元を見つめていたら、どこからか声が聞こえる。


だって~最初は私たちはパパが違うっていったしぃ~

いったしぃ~


パパ違いの双子じゃなくてママも違うって、どゆこと?

どゆこと?


だってさ…


あまりにショックに死ぬかと思った

った!!


ごめんごめん。すずな・ひより。

でもさ、7か月違いで大きさも同じ位だし

双子でもいいじゃん。

大前提として2人は里親募集でうちに来た猫さんだから!

パパ・ママ違って当たり前なんだも~ん。


そんなこと聞いてないも~ん

も~ん


かぁちゃまは達哉パパと結婚しないの?

しないの?


達哉がすずひよが「達哉パパ」って

言ってるのが分かるようになったら考える…予定。



えっ達哉パパ?俺か?


不意に聞こえた自分の名前に驚いて声のする方を見て立ち上がった。


あっ達哉パパだ!

達哉パパ!


あら、達哉こんな夜中にどうしたの?


そんなことより、かや… 今この2人俺のこと…

達哉パパって言わなかったか?


ん、言ったよ。ってか前からずっと「達哉パパ」って呼んでるよ。


へっ?マジか?


うん。聞こえてないのは達哉だけ。


そだよ~達哉パパだけ~

達哉パパだけ~


2人は俺のことを達哉パパって呼んでくれてるんだ!

達哉はプロポーズを決意した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

やさしい夜、嬉しい夜 ~フリタン 達哉編~ サクラ堂本舗いまい あり 猫部(ΦωΦ) @hinaiori

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ