(仮)ステ振り育成ゲームに転生したモブ、異種族を従えて裏ボスと化す。〜どうやらストーリー改変の原因は俺らしい〜
紋皇 一兎
第1話 World of Desire
20××年にリリースされ、多彩なスキル、魔法、剣技が絶大な人気を博したゲーム『World of Desire』、通称“ワルデザ”。
なんといっても経験値を自由にステータスに振ることができるシステムは分かりやすくも奥が深いものだった。
ゴールは魔王討伐で倒さずにヒロイン達とのハーレムもできるし、冒険者としてゆったりと活動したりで、魔王軍からの襲撃が来るまでは自由度がかなり高いゲームであった。
かくゆう俺もそんなワルデザの魅力に惹かれ、熱中したプレイヤーの1人である。
何度も周回して、様々な地位や名誉を確立したり、RTAだってした。
え?なんでそんな事を突然話し始めたんだって?そりゃあ、目の前にワルデザのガルタナ王国、“始まりの街・ロックヤード”の景色が見えるからだろう。
「ちょっと坊や平気かい!?馬に頭蹴られて意識飛んでたんだよ?!」
「ヘ?」
「俺はI等級の回復魔法しか使えないからある程度の治療しかできないんだ…もし記憶が飛んでいたら医者に行ってくれないか」
確かに頭がズキズキする、夢だとしたら妙にリアルだな…
「大丈夫です、、お手数おかけしました」
にしてもこれ誰なんだ?ゲーム内でこんなキャラ見た事ないけど…
近くにある店のガラスに反射した自分の身体を見てみる。
ペタっ
「特別イケメンってわけでもない、スタイルもいいわけじゃない。黒髪、貴族のような服でもない…」
え、これモブ?夢でよかったぁ、こんな奴に転生したら農家になる他、道がなくなるとこだったぞ
そういえば、ステータスはみれるのだろうか。
『ステータス』
目の前に透明な板のような物が浮かび上がる。手で触ろうとしても板の向こう側に擦り抜けるだけだ。
レオン=グラーヴ=シドラ Level 1 15歳
【攻】1(+0) 【防】2(+0)
【速】5(+0) 【魔力】1(+0)
【知】2(+0) 【体力】50(+0)
経験値:0pt
【称号】転生者、生粋のモブ
【スキル】なし
弱っっっっっっ、攻撃力と魔力1ってどゆこと!?スライムなの!?
あとこの称号の転生者って…いや、まさかな。
転生ってなんか死んだ後に神が間違って違う世界に生まれ変わらせちゃったアレでしょ?
俺死んでないし、、、、
急に昨夜の記憶が蘇った。
確か昨日はワルデザで選択ミスしたから台パンしてから、飲み物買いに近くの自動販売機で、、通り魔に殺された…???
なんでこんな重要な記憶が今になって出てくるんだ!?脳の働きがこのキャラと同期してるのか…?
独身アラサーでフリーターの俺に合ってる最後だったかもしれないが、せめて新しい世界では特別良い環境に生まれさせてくれよ神様……
普通転生ものって貴族に生まれるか、チート能力持ってるものじゃないか!こんなキングオブモブみたいな奴に転生させるのは酷いだろ!!
数分後
そんな感じであーだこーだ嘆いてても仕方ない事に気づいてとりあえずこのキャラの身元を調べる事にした。
道を歩く人に尋ねても奇異の目で見られるはずだからとりあえず住宅街に来てみた
「ここの住人ではあると思うんだが、、」
日本とは違い表札が家の前にあるはずもなく証拠が掴めないまま小一時間が経過した。
ぐぅぅ
「腹減った…お金も持ってないしどうするか…」
とりあえず近くにチュートリアルが始まる森があるからそこで木の実でもとるか…
スライムしかいないから危険もないだろう
–チュートリアルの森–
ガサガサ
「ここらに満腹度をかなり上げられる木の実があったはず…」
ヒュン!ポスッ
先ほどから突進してくるスライム、、
まぁ攻撃力0だから痛くも痒くもないんだが
「おしっ!見つけたぞ〜、周回でこの辺りの木の実がある位置把握しててよかった」
「−けて!−れか!誰か助けて!」
女の人の声…?
「どうかされましたかー?」
「た、たすけてください!!ウルフが!」
3体のウルフ…?!しかもかなり獰猛な種のブラックウルフじゃないか!チュートリアルの森でこんなの出るわけないのに!
襲われてるおそらく俺より年下で獣人…なのか?助けたいんだが、俺が出ても2人仲良く食われるだけだよな。かと言って助けないわけにもいかないし
よしっ!
ゴツッ!
「ウォフ!グルルル」
「ブラックウルフ!こっちだ!食えるもんなら食ってみろ!」
誘導してる間に…!
チュートリアルの森には所謂経験値稼ぎスポットが存在する。スライムの溜まり場である。Levelが1上がるごとに経験値のptは1溜まる。スライムを数十匹倒したら5ptは貰えるはずだ。少しでもステータス高めてやる!
「おらっ!とうっ!せいっ!」
拾った木の枝で、ブラックウルフから逃げながらスライムを倒してゆく
“Level UP 1→2”
経験値を攻撃力に振ってと
スピードをいくら上げても動物には敵わない、攻撃力を少しでも上げて一体ずつ着実に仕留めなければ。
“Level UP 2→3”
“Level UP 3→4”
“Level UP 4→5”
もうこれ以上はスライムでLevel上げは見込めない!!全部攻撃力に費やして石を投げて倒してやる!
「グルルル、グォォ!!」
思ったより速い!急いで石を拾わなきゃ、
ガシッ!
「やばっ、、」
グサッ!グサグサッ!
「グォォ!!ウォン!ウォン!」
矢…?どこから、、
「無事か少年、たまたま通りかかってよかった。ふむ、それにしてもブラックウルフがこんなとこにいるとは…」
「あ、ありがとうございます」
ガルタナ王国の騎士団!助かった…
「怪我がないようなら森の入り口に引き返して街に帰るといい。私達はまだこの森の中にブラックウルフがいないか調査する。」
「はい!」
それより、あの女がどうなったのか戻って見に行かないと!
「おい少年!入り口はそっちじゃ!」
「すいません!帽子忘れてきちゃったので取りに行ってきます!」
まぁ元々帽子などかぶっていなかったがな。
「はぁはぁ、いたいた。大丈夫か?」
「は、はい…あのブラックウルフを倒したのですか…?」
「あぁ、俺じゃなくて騎士団が近くにいたから助けてくれたんだ。ほんと良かったよ…って聞いてる?」
「この方が助けて下さった…命の恩人…この出会いは運命…ブツブツブツ」
怖い怖い怖い怖い、頭でも打ったのか…?
「命の恩人にはしっかり忠誠を誓うべき…?きっとそう…うん…そうしよう…ぶつぶつ」
「ええっと、俺もう行くね!入り口はあっちだから君もすぐ出なよ!」
怪しい人には近寄らないって学校で散々教わったからな!さっきからぶつぶつ何言ってたんだあいつ…
––––––––––––––––––––––
久しぶりの投稿!今日から新しい作品を投稿しますので暖かい目で見守ってくれると幸いです!誤字報告も随時お願いします(?)
本作はお試し作みたいな感じです。1章が終わって好評でしたら続けたいと思います。(目安は⭐︎50)
皆様の心に残る作品を精一杯作っていくのでよろしくお願いします
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます