「かえるかえらずかえる」

[詩] [ダーク] [ファンタジー度★★★]




蛙はあの海に飛び込むことにした

空の様な青さがただ広がっていた

泳ぐこと侭ならず塩が体を蝕んだ

蛙は何やら満足して死んでいった




省るぴょこぴょこ

見ぴょこぴょこ

逢わせてぴょこぴょこ

無ぴょこぴょこ




かえるのうたが

きこえてくるよ

「帰ぇろう、帰ぇろう、帰ぇろう、帰ぇろう」

いまただひとり




やせがへる ああその背中 きみをなく

いつの日にか かへれかへれぞと




おたまじゃくしはかえるの子

ずっと待ってた かえるのを

おたまじゃくしは 今かえる

大きく跳ねてた 我が背の子




テーマ:かえる


~解説未満の解説~


一篇目

 〝井の中の蛙大海を知らず〟

 〝されど空の青さを知る〟

 このことわざから。(ちなみに二行目は後世に付け加えられたものだそうです)


二篇目

 〝かえるぴょこぴょこ みぴょこぴょこ あわせてぴょこぴょこ むぴょこぴょこ〟

 有名な早口言葉から。


三篇目

 二人ないしそれ以上で歌う輪唱として有名な「かえるのうた」から。

 かえるの鳴き声は「けろけろ」です。


四篇目

 〝やせがへる〟は小林一茶の句から。「負けるな」です。

 〝ああ ~ きみをなく〟は与謝野晶子の詩から。「君死にたまふことなかれ」です。

 〝背中〟については、五篇目にて言及。


五篇目

 童謡「おたまじゃくしはかえるの子」から。

 原曲はアメリカで南北戦争の際にも用いられたメロディーでもあります。

 〝我が背〟は古語で、女性が夫・恋人など親しい男性をさしていう語。

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