第38話
魔王城へと向かう……その道のり。
その過程に苦労は一切なかった。
「まさかここまでサクサク来れるとは……」
魔王城に来るまでで敵には一人も合っていないし、何かしらの罠が貼られていることもなく、本当に何の苦労もなくここにまで来ることができた。
ただただ徒歩で魔王城の前に来ただけだ。
「魔族において魔王が最強……魔王城にやってきて魔王を倒すような人がいるのであれば何を為そうとも意味はなしません。そんな思想より基本的に魔法城に向かう人間に対しては何の干渉もしませんから……1000年前と一緒ですね」
僕のつぶやきに対してメイドさんが僕にだけ聞こえる声量でボソリと教えてくれる。
「……距離が近い」
「あっ、すみません」
そんな僕たちに対してアレシア様がボソリと一言。
その一言を聞いた僕は彼女の言葉に頭を下げ、メイドさんから距離を取る。
魔王と戦うためのパーテイー……それは僕とメイドさんとアレシア様、ララティーナの四人である。
「まぁ、楽で済むのであればいいでしょ。そんなことよりこれから魔王城に乗り込むのだけどその準備はできているかしら?私は完璧よ」
「僕も問題ないですね」
「私も問題ありません」
「ん。行ける」
「……みんな完璧なのね。え?じゃあ、もう……行く?」
「……行きます?」
「……行こう」
「「「「……」」」」
「なんというか、魔王城にこれから乗り込むって言うのに緊張感がないわね。なんというかこれから世紀の一戦に挑む前、って感じがまるでしないわ」
「ですが、下手にガチガチの緊張状態、ってよりは良いのではないでしょうか?」
「まぁ、それもそうね……じゃあ、行きましょうか」
これから魔王と戦うとは思えないテンション感で僕たちは魔王城の中へと入っていき……。
「よくぞ来たな」
そして、魔王に魔王城の玄関で出迎えられたのだった……玉座は?
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