第20話
平和であると言えたアレシア様率いる陣地。
魔族の襲撃も殆どなかったのだが……突如としてアレシア様の陣地は大量の魔族の襲撃を受けることとなっていた。
「んー。なんでだろ?」
アレシア様が指揮を取り、魔族の軍勢に立ち向かっているのを横目に遊撃部隊として大暴れしている僕は首を傾げる。
アレシア様の陣地はそこに詰められている戦力の割に大して重要でもない場所である。
こんなところに大量の魔族を突っ込む理由は何だ?」
「……一時撤退」
魔法によって拡声されるアレシア様の声を聞きながら僕は先へ先へと進んで大暴れする。
血祭りである。
魔族の返り血でぐっちょりと濡れてながら僕は魔族を次々と葬り去っていく。
「……まぁ、僕が考えても仕方ないか」
撤退していく自軍が逃げるための時間を稼ぐため、魔族を蹴散らす僕は余計な考えを一旦忘れ、魔族を倒すことに専念した。
■■■■■
どれだけアレシア様率いる軍勢が撤退しようとも執拗に攻め立て、どれだけ被害を出しても決して引くこと無く永遠に攻め立ててくる魔族の軍勢。
それでも、アレシア様率いる軍勢は大きな被害を出しながらもなんとか魔族の侵攻を跳ね返した。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああ」
そんな中。
一騎当千を超えて一騎当万。
信じられないほどの数の魔族を血祭りにあげた僕は魂が抜け落ちかけていた。
「つっかれたぁぁぁぁぁぁぁぁー」
心の底からの吐露。
僕の疲労は尋常じゃなかった。
「お疲れ様。和人」
「……ッ!?」
地面にへたり込んでいた僕はアレシア様に話しかけられ、慌てて立ち上がって身支度を整える。
「はい。アレシア様もお疲れ様でした」
そして、僕はアレシア様に返答の言葉を返した。
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