第17話 ライブ大会準備活動2日目にゃー


 私たちはその後、また部屋に戻っていく、フランは何やら用事があるからと、少し遅れるようなことを言っていた。


「フランが何か用事なんてなかなか珍しいこともあるもんだにゃあ……」


3時間程ベッドでごろごろしながら、司会者原稿を書いていると、扉の開く音がする。


「おかえりにゃー」


返事はない、やはりまだ気を許してはもらっていないのだろうか……


「うーん……これどうしようかにゃあ……違うにゃ……半分消すかぁ……」


私は絶賛司会者になんて言わそうか、悩み中だった。

何故、私が書いているのかというと、今回のグループリーダーが私たちのグループであり、さらにそのグループのリーダーが私なのだ。周りからは適任だと言われ、私が書くことになったというわけで……

完全なる押しつけである。


「ねぇ、ロミさんからこれ、あなたにって」

「にゃ?」


フランがそういって渡してきたのは、CDと歌詞が書いてある紙だった。


「これは……私があの時3人で歌った曲と全く同じにゃ!!」

「そんなことしてるより、明日までに仕上げた方がいいんじゃない?私はもう寝るから、聞くならイヤホンかなんかつけて聞いて」

「分かったにゃ……」


私は早速、イヤホンをして曲を聞くことにする。

早速いいメロディーが頭を流れる。


「曲名は……【ShiningCourage】って読むのかにゃ?良い曲にゃ……」


私は書くのを忘れ、ひたすら聞いているのだった。

そして次の日……。


「ここでどうかしら?」


ヒミルがパソコンと机を、靴箱の過ぎたすぐの廊下に置く。

机には【1年生主催ライブ大会参加グループ募集!(ソロライブも可能)】

と書いてあった。


「こんな宣伝で本当に集まるのかにゃ?」

「まぁこれからじゃない?」


ミシュが呟くと、私たちは先生に呼ばれる。

毎回、先生の呼び出しにはびくびくしている。


「それでは、これから君たち1年生は第一ライブ会場に向かいますよ!!」


先生は。ノリノリで歩いていく。まるで先生本人が行きたがっているようにも思えた。

私達は、とりあえず先生について行きながら周りを見る、本当にここはライブ会場や、レース会場しかなく、毎日見ていると飽きそうな気もする。


「ここですよ~」

「「「「おおおおおおお!!!!」」」」


目の前には、かなり巨大なドームがあった。大きさで言うならば……スラチオ学園の2倍以上だろうか……。


「ここが第1ライブ会場ですか……私も始めて来ました……」

「ささ!参りましょう!紹介したい相手がいるのです」


先生が先々歩いていくも、私たちはさらに頭の上に?マークが浮かんでいるだけだった。


「誰だろう?私たちの知ってる方かな?」


ミシュがものすごく不思議そうな顔をしていると私たちは巨大なライブ会場に入っていく。


「「「「うわああああ!!?」」」」


ライブ会場内のあまりの大きさに私たちは思わず叫んでしまう。

私もここまで大きいライブ会場を見たことがない。


「皆さん!ここで朗報です!!なんとですね!今回……このライブ会場の館長から私たちの為にライブ当日まで貸し切りにして下さるそうです!!!皆さん!ここで合宿できるようになりました!!」

「「「「「ええええええええええ!!?」」」」」


今回一番の叫び声が響き渡ったのだった。

その後、私たちはステージ裏へと移動する。

そこには4種族がサングラス状態で立っていた。


「え??誰ですの?」

「全く分かりませんね……」


エリとロミが小さく呟いたあと、1番左の種族が大きな声で叫ぶ。


「皆さん!ようこそお越しいただきました!!」

「……ぷふ」

「にゃ?にゃ???」

「お……ふふ…‥音…きょ……響係です……ふふふ」

「芸人かにゃ!!?」


右端の女性が叫ぶも、3人の笑いにつられてうまく話せていない。見事に全員サングラスをしていたため、ちょっと意外だった。


「失敗してるじゃないですか!」

「何よ!!いったい誰よ!1年生だからってびっくりさせようって言ったの!」

「あなたじゃないですか!!」

「犯人を私たちに押しつけはやめてくださーい!」


4人は何やら芸人のような喧嘩もどきが始まった。

まぁ、私は人間の芸人は知らないので、これ芸人ぽいとは何も分からないため、言えないのだが……


「あなたたちが、今回の企画を考えてくれた1年生たちですね?今回から大会終了まで、どうかよろしくお願いいたしますね!」

「こちらこそよろしくお願いしますにゃー」

「あなたシャーリンさんですよね!!!???」

「うにゃああ!」


私は、上から目の前に落ちてきた女の子にびっくりする。

どうやら、長い耳を見る限りウサギ族らしく、強烈なジャンプ力で、私の前まで飛んできたのだ。


「あなたの初レース見させていただきました!!!とても白熱した戦いで……あああ!あなたはエリさん!あの時にロミさんに宣戦布告したの最高でした!!!」

「ええ!?あの練習から見ていましたの!!?」

「もちろんです!!!わたし選手の練習を見るのもレースを見るのも!ライブを見るのも大好きです!!!あああ!!!!ロミさん!!!好きです!!あなたのお強さ!私にとても響いてまして!!!あああ!!!あそこには!!!!スライさん!!私!!あなたの飛び方好きなんです!!あなたはミシュさんですよね!!!??ミシュさん!!お姉さんの記録更新私応援しています!!!!あの時は気分が乗らなかったようでしたが!!大丈夫だと信じています!!あ!!フライさん!!あなたの歌声とても大好きだです!!!ここでライブ大会として聞けるの私!幸せです!!!」


強烈なレースオタクだろうか……ウサギ族の子は、全員の所へ飛んでいく。

私はその時に見えるポケットに大量の写真が詰められているケースを見つけた。


間違いなくレースオタクだと思う……

しかもかなり撮り溜めているようで……


「はいはーい!皆さんそれでは、下見として舞台に上がりましょうか!」


先生の言葉に私達は、初めて夢である大きなステージに上がるのだった。

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