第15話 準備は大忙しにゃ!
そうしてライブ大会に決定して喜んでいた私達だったが……私たちはある問題に直面していた。
「ところで場所と審査員……客席……その他はどうするにゃ?」
私は手を挙げて質問する。
このスラチオ学園は確かに広いが、ライブできるような場所は、取ることが出来ないのだ。
特に、私たちは選ばれた中での人たち、という立場でもあり、かなりの人数が来ることが予想される。
かつ範囲は、この街全体ともなると、許可も必要となってくる。
「では私が少し理事長に相談してきますわ~」
とスライが飛びながら教室を出ていった。
教室の屋根が前世と同じだったら、まず天井に激突するだろう……
この世界の家は鳥族の為になのか、屋根と幅が前世よりも、かなり大きくなっているようだった。
「確かに……1年生だけのライブ大会とはいえです……相当大きくなりますよ??」
隣から話しかけてきたのは、ヒミルだった、心配はやはり観客の人数ということだった。
基本入学するのは超難関と言われている学校だ。そこから選ばれた一年生ともなれば、聞きたくない人などいないだろうというレベル……。
「ただいまですわ~」
スライが扉を開けて戻ってくると、シュレーヌ会長もついてきており、皆は慌てて席に着く。
「いやいいぞ、そのまま話してくれ、しかし……ライブ大会か……面白いことを考えるではないか。会場手配は私がしておこう。場所は……そうだな第1ライブ会場はどうだ?」
「第1ライブ会場!!?」
叫んだのはミシュだった。
周りも突然の事に呆然としている。
分かっていないのは私だけだろう。
「第1ライブ会場ってなんにゃ?」
「ライブ会場の中でも最高級……と言われている会場ですわ……観客は最高10万人……広さはこの学園以上ですのよ?」
「すみません会長。そんな会場を私たちの為だけに貸切るのですか?」
フランが手を挙げる。
確かに私たちが勝手に始めた企画に、わざわざそんな大規模な会場を貸切るなど、あり得ないことだった。
「うむ、それでだ、条件として、この大会に上級生も参加させてほしい」
「「「ええ!!?」」」
「これは交流会も兼ねているといった……が仕切るのは君たちにやってもらう。上級生たちはあくまでも参加客と考えてもらっていい。そしてこの大会が大成功すれば……実際の大会として追加も考える。もちろんその時は創作者として君たちが舞台に立ってもらうことになる。実際それで追加された大会も多い。例えばだ……私達が作った大会と称号が『鳥1級3連王』【ブラスター】【カバウム】【ヒューリングスカイ】だ」
私達はもう目を丸くするしかなかった。
何故なら勝手に考えたライブ大会が成功したら公式化する……そして会長が昔その3連王を作り出した張本人の1人だったということ。
「どうだろうか?あとは君たちにすべて任せる。ヒントを与えるならば参加表は作っておいた方がいいと思うぞ?あとは審査員と司会者も私が用意する予定だ。安心するといい」
私達はしばらく相談する。
本当にうまくいくのか……そんな不安が私たちの中でうずまっていたのだ。
だが……私たちの答えは1つだった。
「「「「是非ともやらせてください!!!」」」
「ふっ……では早速、私を参加表に加えてくれ」
「会長さんがライブ大会に出るんですか!?」
「うむ、楽しそうだからな」
「とりあえずメモしておきます!」
1人の女の子が慌ててメモを取る。
ついでにみんなの考えたチーム名も書いていく。
「最後シャーリンさんチーム!名前どうしますか?」
「うーん……」
私達はひたすら考える、そう一番考えるのに時間がかかるのはこのグループ名決めだった。
そして半時間ほど考え決めた名前は……
「「「「【シャースミミリン!】」」」」
「……何処から来たのですか?」
先生が首を傾げる。
まぁどこから来たのかは、普通に疑問が生まれるだろう……
「簡単ですわ、シャーリンさん、スライさん、ミシュさん、ロミさん、そして私のエリの名前を抜き取って合わせただけですわ」
「シャーリンは私たちのリーダーだから本名入ってるんだよ~」
「良いにゃ!私たちは【シャースミミリン】で決まりにゃ!!」
「分かりました、では……今回の企画のリーダーはシャースミミリン達でいいですか?」
「ええ?私達にゃ??」
「はい、あなたたちは基本、全員推薦組なので私たちを引っ張っていってほしいです。もちろん私達も力になりますよ!!これは全員で成功させる大会ですから!!」
「決まったようだな……私はこれで失礼するぞ、頑張ってくれよ?大成功を期待している」
「会長!ありがとうございました!!」
私達は、出ていった会長の姿を見送ると、長い溜息をついた。
「これは大変なことになりますわよ……」
「そうですね……私達で仕切れるでしょうか……?」
クラス全員、成功させる気はあるも、不安が大きいようだった。
私は、こんな空気をあっと変える必勝法を知っていた。
「にゃ!皆下がりすぎにゃ!!楽しくすればいいにゃ!!私たちが楽しまないと全然周りが楽しくならないにゃ!!」
私は立ち上がるとエリが拍手をしてくれた。
どうやら私の意見に賛同してくれるらしい。
「私もそう思いますわ!まだあきらめるのは速すぎですわ!まずは参加表を作るところから始めますわよ!!パソコン教室は使えますわ!」
エリが話すと、若干周りの空気が変わったように私は感じる、しかもその空気は良い方に変わったと確信した。
(そしてパソコンもあるのにゃ……この世界)
「あっ!あと参加チケットもいりますよね!」
「となると控室のお菓子も必須ですね……」
「会場の飾りつけ、チケット作り、宣伝ポスター作りも必要ですよ!」
「司会進行の紙と楽曲セトリも必須ですね」
「とりあえず今ここには5グループがいるにゃ!それぞれ分かれてもらうにゃ!」
私は必要なものを書き出していく。とやることが、すごく多いことに気づいた。
「そっか……照明さんとかもいるんだっけ……?」
「私、実は~音響さんと照明さんのプロを知っていますわ~」
「すぐ連絡お願いしてもいいですか??」
「ロミ了解~」
「じゃあ私たちの2 グループと向こうの3グループで飾り付け準備、チケット作り、宣伝ポスターを作りますね」
「4グループの私たちは参加チケット、控室のお菓子飲料、チケット配り、ポスター張りをします」
「5グループの私たちはどうする~?フラン、上グループの手伝いでもする?」
「はぁ……会計は誰がするのよ?ちゃんと考えなさい」
「じゃあ私達会計するよ!私たちの仕事は基本、本番だから余ってる人は他グループの手伝いね!」
ようやく4グループの役割が決まった。そして肝心の私達だが……。
「私達はまずスケジュール表、計画進行表、司会者用の紙、照明用の表、セトリ表……などの制作ですね」
「それだけではないにゃ、設置、リハーサル日、動く場所、ライブ範囲設定も私達にゃ」
「大変ですわね……」
「倒れないようにしないとね」
「とりあえず早速取り掛かるにゃ!!」
「「「「はい!!」」」」
ということで私たちは、主催のライブ大会の準備をすることになる。
本当の地獄はここからだった。
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