第8話 スラチオ学園に着いたにゃー
ついにスラチオ学園早期入学の日がやってきた……
「今日が招待日にゃー!!」
私は大きく伸びをすると、荷物をまとめフロントのところまで歩いていく……
「シャーリンさん!今回は推薦入学おめでとうございます!!ぜひとも活躍を期待していますね!!」
「ありがとにゃー」
と宿屋を出た瞬間、目の前に超豪華と言っていい程の綺麗な馬車が止まっていた。
「にゃにゃ??時間間違えたにゃ!?」
「シャーリン様ですね?お時間はちょうど10分前です。どうぞこちらからお乗りください」
周りから羨ましそうな目で見られている。
私は馬車の中に入るともうすでに何種族か乗っている。
「シャーリン、こっちこっち」
私はミシュを見つけてその隣に座る。
正直空気はあまり宜しくない……
「まさか全員推薦者にゃ?」
「そうだね、一応最初10人だったみたいなんだけどシャーリンが追加で1人追加したみたい」
皆からは強い殺気のような視線を感じていた。
やはり私が乗ったことで何かあったのだろうか……
「な……なんか怖いにゃ……」
「ちょっと」
私は奥に座っている女の子に話しかけられる。
どうやら私の事を睨んでいるようで''
「あんなダメダメの走りでよく推薦されたね、私たちは本気で走っているの分かる?中途半端な気持ちで入学されるのは迷惑なのよ」
「う……」
「ちょっと!そんな言い方は……」
ミシュが突っかかろうとしていたため私は慌てて止める。
ここで喧嘩しても仕方がないし、しかも中途半端な気持ちと言うのも嘘では無い。
「あなたミシュね……あなたも相当の実力者ならば分かるのでは?真剣に走っている所にこんな……初心者と一緒だなんて品が下がります。今すぐにでも馬車を降りなさい!」
やっぱりそうにゃ……みんな必死……私みたいな初心者はダメにゃ……
と私が立ち上がろうとしたとき、隣から手が伸びて止められる。
隣には鳥類?だろうかの女の子が座っていた。
「あなたは降りなくて結構ですよ~それと失礼ながら申し上げますが~あなたは前回第2級レース、[スイレーン]で出遅れたのではありませんこと~?ヒミルさん」
「それはどうでもいいですわ!?だれですの?」
「遅くなりすみませんわ~わたくしはコッルル・スライと申します~わたくしは前回で準2級・蝶レース[イーラー]を3連覇しましたわ~」
その言葉にみんながざわつく。
私にはさっぱりわからないが、そこまで難しいレースなのだろう。
「それで~あなた出遅れてから追い上げることをしましたか~?」
「それは……」
「出遅れてそのまま諦めて10位~そんな情けない話はありませんわ~?それに比べてどうです~?シャーリンさんは~走りは素人そのものですが~抜かされた後に発揮した最後の加速。あの時絶対に勝つという強い意志がはっきりと私には見えましたわ~初級レースとはいえ~あのメンバーの中で2位~すごいじゃありませんか~並の初心者では絶対できないことですよ~?」
「コッルルさんありがとうございますにゃ……」
「スライでいいですわ~わたくしは誰とでも仲良くしたいと思う派なので~ですが今回みたいな決めつけで相手を
「その通りですわ!」
と乗り込んできたのはエリとロミだった。
あの時はお世話になったので、私は軽く一礼をする。
「エリ!ロミ!にゃっほー!」
「お久しぶりですわ!シャーリンさん」
「お久しぶりです」
「あなたですか?シャーリンをバカにしたって言うのは」
ロミがヒミルの顔を見る。
ヒミルは何か言いたげな表情をしていたが、怯えて声が出ないらしい。
やはりロミは相当上位の存在なんだろう……
でもこの反応ただ強いと言うだけではなさそうなのだが……
「これは……ロミさん……どういたしましたか……?」
「シャーリンさんは私のいわゆるライバルです。そのことを踏まえて発言をして下さい」
「ついでに私からもひと言申しますわ!シャーリンさんは私に勝ったのですから、あなたの先ほどの発言は私も侮辱したことをお忘れないように」
と2人は私の席に近づいてくる。
正直助かったとしか言えない、二人が一緒の学園で本当に良かった……
と心の中で思うのだった。
「改めてお久しぶりですわ!」
「ありがとうございますにゃ……ロミさん……エリさん……」
「いえいえ……仲間は必要不可欠ですから、何かあれば私たちを頼ってください。それと珍しいですねスライがあんな怒るなんて」
「そうですか~?私は前からこんな感じですよ~?」
「普段は温厚でもっと優しくてかわいいですわ」
「ロミさんも~エリさんも~ひどいですわ~」
私の前にヒミルが立つ。
表情はとても暗い、ロミに注意されたのがよほど効いたようだ。
「誠に申し訳ありませんでした……今までのご無礼をお許しください」
「にゃにゃ?全然いいにゃ!むしろ当然にゃ……でもここから辛いってことは私にも分かるにゃ……1から勉強して一緒に強くなるにゃ!」
「本当、シャーリンってお人好しだよねー」
「お人好し……それがシャーリンのいいところですわ!」
「あの時は
「そうだね~私も負けないようにしないとね!鳥族だから関係無いけど!」
「あらあら~私も負けませんよ~ここにいる皆さんは全員友達でライバルなのですから~」
その後はみんな仲良く話し始めるのだった。
しばらく走っていくと、馬車が停止する。
「ここが……」
「スラチオ学園にゃ??」
「かなり大きいですわよ!?」
「エリ、少し静かにしてください」
「良いじゃないですか~私楽しみですわ~」
馬車のドアから出た目の前には、要塞のような建物が建っていた。
まるで学校というよりも、お城に近い作りをしている。
「推薦組の皆様、
どうぞお越しくださいました、私がレース指導課課長及び寮長のリンカ・スランと申します~」
そして、私たちの事を待っていたのか、女性が頭を下げてくる。
「まずは学校案内からさせて頂きます。私の後についてきてください」
とリンカは歩きだす。
私たちは、置いて行かれない様に慌ててついていく。
こうして新たな学園生活が、これから始まっていくことになるのだった。
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