第69話 答え合わせ②
時は大きく遡る
「レナちゃん集合」
「はい、アリス様」
アリスに呼び出されたのは双子の元殺し屋、妹のレナだ。現在はアリスの下で仕事をしている
「悪いけど、少しの間、王国の潜入任務をやってほしいな」
「ええっと・・具体的には・・・」
「王様の専属メイドだよ」
「わあ!」
メイドという言葉にレナは突然喜びだす。どうやらレナはメイドになりたかったようなのだ。アリスは自身で作ったメイド服をレナへとプレゼントする
「可愛い!本当によろしいのですか」
「うん、頑張ってね」
「はいっ」
レナは嬉しそうに部屋を飛び出し任務へ向かった
「アリス様、初めてのレナが王様の専属メイドになれるものですかね」
マリは今の様子を見て少し心配していたようだ
「何とかなるよ」
失敗しても他の策があるし
レナが確実にメイドになる道筋までは作っていた。しかし、マリの言う通りメイドを上手くやれるかは本人にかかってる
「レナちゃんのことを信じよう」
「はい」
妹のレナを一番よく分かっている姉からしたら少し心配なのだろう。それでも頑張ってもらわないといけない
こうして王様専属メイドのレイナが誕生したのである
ここから少し時間が進む。これは王国のクエストにより冒険者一行がカミヤへと向かった話である
結局冒険者たちはアリスによって壊滅させられ、A級冒険者銀の翼のダニエル・ソルトとマルコス・ラボだけが生き残った。その後──
「君との契約内容は王国で反乱を起こすことだよ」
契約魔法には二種類ある。対等な関係と主従関係だ。生死を握られているマルコスの契約はもちろん後者である
「分かりました。そうすればダニエルを救えるんですか」
「うん、そして──」
アリスは精神的にまいってしまったダニエルにも契約魔法をかける。実は精神崩壊を起こしてしまった原因はアリスにあったがマルコスには内緒にしていた
「マルコスが裏切ったら自殺をするように」
「なぜ、そこまでする必要があるのですか。そもそも契約を破れば俺は死ぬのだから」
マルコスの疑問は当然のことだった。わざわざダニエルと契約を交わす必要はない。しかしアリスはその疑問には答えなかった
「マルコス君、最後に約束なんだけど──」
とアリスは契約でなく約束をした
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