第39話 集い
ここは人間と魔族の国境付近にある唯一魔物が存在しないエリア
初代魔王の復活を目的として作られた魔人協会
しかし、その全貌はまだ明らかとなっていない
魔人協会
リーダー ベノム 能力不明
第一席次 レト・アウロワ
第二席次 シア・カーン
第三席次 ヘリオス・ローレライ
第四席次 ヘルマ・ディートス
第五席次 シャキリ・エルデス
第六席次 ミリス・アステリア
第七席次 グリム
「緊急で集まってもらったのには訳がある」
重苦しい雰囲気の中リーダーのベノムが口を開いた
「第四席次のシャルが殺された」
動揺する者もいれば、動じない者、寝ている者、喜ぶ者など反応は様々だ
「せっかく集めた神のスキルを失ってはどうしようもないな」
この重たい空気の中先陣を切って声を上げたのは第三席次 ヘリオスだ
「まさか、シャルがやられるなんて想定外だった」
「俺の吸血鬼の女王暗殺も無意味になったな」
初代魔王の復活に必要なのは10個全ての神の名を持つスキル。当然これはベノムの失態だ。これで魔王復活の道のりが長くなってしまった
「くだらない」
「レト、いったい何してる」
突如、席を立ったのは第一席次のレト・アウロワ。実力は初代魔王の全盛期とほぼ互角に戦えるほどの実力者だ
「俺は今日でこの組織を抜ける」
「なっ」
この組織の結成にはベノム、レト、シア、ヘリオスの四人が関わっている。その中の一人、レトが抜けることは由々しき事態である
「レト、お前はもう諦めたのか」
レトは何も返答せず去って行った
「追わなくていいんですかヘリオスさん」
「やめとけ、死ぬだけだ」
ヘリオスとグリムは師弟関係でありこの組織では唯一、一緒に行動をしている
「あたしから一ついいか」
「どうしたミリス」
豊満な体を持ちたくさんの魅力を持った女性、第六席次ミリス・アステリアはあることを思いつく
「シャルを殺した奴が予言にあった第二のパンドラって可能性は」
世界の厄災であるパンドラという言葉に納得する者は多かった。結局神を殺せるのは悪魔しかいない、その認識は共通である
「────────────ってことで皆には大変だけど各自残り神のスキルを」
「レトの持ってる神のスキルはどうするんだ」
「それは俺が説得する」
こうして会議は終了した。ベノムは本部に保管されているある遺体の確認に行く
「アルフィア・・必ず君を───」
美しい魔女の遺体がそこにはあった
吸血鬼の女王が統べる国 カミヤ その周辺にある支配の届かない無法地帯
エルフの森の奥深くでこの世には似つかわしい奇妙な巨大生物が羽化する。周りの木々や魔物を食い荒らし、成長を始めた。
「エルモア様、また魔獣の出現です」
「今、エミル様の絵を描いてるから邪魔しないでよー」
エルモアは兵士の話を聞かず絵に没頭する
「ですがこのままでは被害が・・・」
あれからかれこれ二時間ほど絵を描いていたのでしびれを切らした兵士の一人がエルモアに催促する
「分かった分かった。今行くか─────」
やっと対処に動き出そうとしたが、突然硬直してしまう。エルモアの主人である魔王エミル・レフィーヤの帰還だ
「お疲れ様ですエミル様」
「おかえりエルモア。なにか変わったことはない?」
「変わったこと・・・もしかして髪を切られたのですか?」
「私のことじゃないわよ」
エルモアの目にはエミルしか映っていない
「失礼しました。ただいまエルフの森で魔獣の幼体が発見されたようでただいま東へと進んでいます」
「そうなら出かける準備をしてください」
「はいっ」
生まれた魔獣は少しずつカミヤに向かって進行する
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