第27話 少女の悩み

世界の秘密を知ってしまった。世界一不幸な少女、世界平和、協調、貧困・・すごく悩んだ。最初は今までできなかったことをやろうと思っていただけなのに


自室に籠り、アリスは考え事をしている


宿命なのかな。私のやりたいことっていったい何なのだろうか


だが答えは出ない


「アリス、どうした。なにか悩み事でもあるなら聞くぞ」


丁度アリスの部屋に入ったスグルはアリスの異変に気付く


「少し頭を使いすぎて疲れちゃったあ、今からちょっと休もうと思ってる」


この力は負荷がすごい。まだ慣れてないから休まないと・・


「分かった、しっかり休めよアリス」


「うん」


この先、私がすることをお兄ちゃんは許してくれるだろうか・・分からない。正解のある問題ほど楽なものはない。でも正解のない問題は──






「おーい、そろそろ疲れがたまってきたと思うから今日は作業終了にするよ」


スグルはみんなに作業を止めるよう促した


二日目にしてようやく全員の寝る場所は完成か。これ以上急ぐこともないだろう


「兄貴、この後、師匠が特訓してくれるみたいです」


「よかったなレオ」


レオは相変わらず元気だなあ、俺はもうヘトヘト・・・


「兄貴、早く行きますよ」


え、俺も?嘘だろ、いや、俺は行かないよ


「ごめん、実はこのあと・・」


「あっ、師匠」


「ちょうど二人揃っていますね、では行きましょう」


なんてタイミングだよ。このおじいちゃんは


俺たちは城から少し遠くの開けた場所を訓練場として使った


「二人でかかってきなさい」


あーもうクソっ、やってやるよ


「「うらあああああ」」






ズサっ


俺とレオは師匠にボコボコにされた。余裕な師匠は全く魔法を使わなかった


「レオ様はまず魔力の使い方がなっていないのでそこから指導しましょう」


へー、しっかり分析しながら戦っていたのか


「スグル様は、魔力の使い方はなっています。しかし―」


「え、ちょっとまって師匠。俺は魔力ないぞ」


スグルは師匠の矛盾な発言に気づく


何言ってんだ。俺は来て早々、魔力ゼロ申告されたはずだが・・・


「そんなことはございませんよ。魔力の有無は血筋で決まります。妹のアリス様が魔力保持者ならばスグル様も同様に持つはずです」


えええええ、でもなんか嬉しくなってきた


「ただ・・」


ただ?


「スグル様の場合は少し違和感があります。私は戦闘中、自身の魔力を身体能力の向上に使っているのですが、スグル様は常に魔力が全身に回っています」


俺って天才ってこと


「兄貴、さすがっす」


「だろ、レオも俺を目指して頑張りたまえ」


「一生ついてきます、兄貴」


やっぱり天才の妹の兄も天才ってのは当たり前か。とっても気分がいい。この気持ちのまま今日は帰って休もう


「これで休憩は終わりです。今度は一つずつ止めて指導していきます」


鬼畜うううううううう


「お願いします」


いや、レオよ、どれだけ体力あるんだよ。でも、時間的にこれが最後だろう


「頑張るか」


このあとの指導は師匠のアドバイスが多く実践は少なかったのでなんとか耐えきった

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