第21話 初見殺し
もうそろそろ、限界だ。目の前の敵にピントが合わない
スグルは二人の猛攻を間一髪で防いでいた。しかし、出血量が多くなっている
「僕とナバルの二人を相手によくやりましたね。ですが、ここで終わりにしましょう」
もはやスグルは敵が何言っているのかすら分からない
―君に死なれては困るよ
スグルの頭に声が響く
誰だ
―ここから先は私が何とかするから
頭に声が・・
―交代だよ
ああ、アルフィア。そうだったな
あとは任せた
ピタっ
「あっぶなーい」
人が変わったかのようにスグルは敵の剣と斧を素手で受ける
「「なっ」」
それにしても神谷スグルは、大斧と聖剣を同時に相手にするなんて、ほんと命知らずだね。
「アリウスと俺の大斧を素手で止めた・・」
「ナバル、少し様子がおかしい。急に、この男に魔力が激増してる。しかも私と同程度の」
剣聖が少し厄介だね
「貴方は何者だ」
「ん~ただのしがない魔女さ」
実際に現世に出ることができたけど、体は男のままなのね
「私、戦闘は久しぶりなんだよね。少し手加減してもらえると助かるな」
「そうしたいところなんだけど、僕も少し余裕がないんで本気で行かせてもらうよ」
「そう,残念」
でも、私は近接戦闘得意じゃないんだよな
「取った」
「どこ切ってるの」
剣聖はなぜか空を切ってしまう
「今、ここにいたはずなのに・・」
いいね、その反応。私の幻影を追ってる感じ
「僕との相性が最悪だね」
「確かに、剣聖君の能力は敵の攻撃の無効化、でも無害なものは無効化の対象外」
じゃあ、そろそろ
「
この二人がよけきれない程度に広げて・・
「なんだこれ、アリウスっ」
「すまない―」
バタっ
「どういうこt―」
バタっ
「ただ眠ってもらうだけの、初見殺しだよ」
あっ、もう時間切れみたい。とどめを刺そうと思ったけど・・まずはこの体を治さないと
「私がやるのはここまでです。あとは自分で頑張ってね」
目を覚ますと庭に出ていた。どういうことだ。周りを見ると兵士たちが倒れているだけで、さっきのデカブツと剣聖は見当たらない。逃げ出せる
「傷がなくなってる・・なぜか分からない。ただそんなことよりレオたちが心配だ」
頼む、上手く逃げていてくれ
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