第32話 北アジア最強の称号が似合う少女たち


「みんな、お待たせ〜」


「おはよう、あやねん!!」


「おはよ〜 彩音ちゃん……」


「おはようございます彩音ちゃん 私達は準備できてるわ!!」


 彩音がボイスチャンネルに入ると緋奈ちゃん、美佳ちゃん、有栖ちゃんは既に集まっていた。


「えっと…… 1回戦の相手はスカイっていう韓国のチームみたいだよ〜」


「韓国!! ついに私達もグローバルデビューだよ!! 」


「韓国はゲームの上手い方が多いみたいだから、気合い入れていくわよ!!」


「がんばるぞ……」


 私が対戦相手のことを言うと、3人は気合を入れた。


「うん!! 練習通りの動きをしたら、絶対にプロの方達にも通用すると思う!!  頑張ろ〜!!」


「「「お〜!!」」」


 私達は武器購入を済ませ、試合が始まるまで待機画面で今か今かと待っていた。












「ブルー、目標についた いつでも狙撃できる」


「了解、こっちも遺跡の高台についた 2人も俺のいる場所の近くの柱裏に着いたみたいだ、攻撃は俺が指示をする お前らはそっちのサボテン裏に隠れて指示を待て」


「「了解」」


 韓国の強豪クラン、スカイのメンバーは彩音たちよりも先に砂漠マップの強いポジションを獲得した。

 このマップは遮蔽物があまりなく、スナイパーの通りがいい、グリーンは世界で2番目のスナイパーの名手だから最強ポジションを取れたことでほとんど勝ちを確信していた。


「目標は1人、残りの3人、特に向こうのスナイパーの姿は見えない 攻撃するか??」


 グリーンは彩音が1人、砂漠の平原のど真ん中を歩いているのを見つけた。


「妙だな…… あのアジアランキング1位の少女、1人で行動なんて、仲間はどうしたんだ……」


「グリーン、あを狙撃しろ どんな作戦だろうとリーダーを失えばチーム崩壊する……」


「ああ、言われなくてもそうするぜ、ブルー……」


 グリーンは彩音に向けて、スナイパーライフルのスコープを構えた。

 彩音にスコープを向けた瞬間、彩音と一瞬目があった気がした。


「ッ……」


 グリーンの放ったスナイパーライフルの弾丸を、彩音は首を横に振って回避した。


「なに……」


「えーちゃん、今ので場所わかったでしょ お願い!!」


「よゆ〜 任せて……」


 グリーンは再び、彩音に向かって銃口を構えようとした瞬間、自分の脳天に弾丸が直撃した。

 自分の体力がなくなり、消滅する直前に弾丸の飛んできた方向を見ると、数キロ離れた位置に小さく銃のようなものが見えた。


(あんなの見えねぇよ…… あの少女たち、なかなかやるじゃねぇか……)


「グリーン!!」


 ブルーはグリーンがやられた事に驚いた。

 部下の2人は何が起きたのかわからず、棒立ちしていると頭上からグレネードが5つ程飛んできた。


「お前ら、避けろ!!」


「え??」


 ドッカーンとグレネードが爆発し、反応が遅れた2人はグレネード1つ分のダメージをくらい、体力が1ミリ程度になった。


「全く……あんたはグレネードをもう少し考えて投げなさい 、ほとんど避けられたじゃない!!」


「だって、グレネードが右手に持った瞬間、僕を投げて〜って言ったんだもん〜」


「なわけないでしょ!! はぁ…… 仕方ないわね…… 後は私が倒すから、あんたはそこで見てなさい!!」 


「嫌だよ〜 私だってキルしたい!!」


「ちょっ…… 押さないで…… わかったわ、好きにしなさい……」


「やった〜!!」


 ブルーの部下2人が回復アイテムを使っていると、緋奈と美佳の2人が隠れている柱の前まで来ていた。


「このっ!!」


 部下の1人が美佳に向けてライトマシンガンを発砲すると、弾丸をジャンプしながら回避して部下の頭にショットガンの銃口を突きつけた。


「なっ…… なんだこのスピード、嘘だろ……」


「いえ、これが現実よ」


 美佳はそう言ってショットガンを部下の1人に撃った。

 部下の1人は倒れ、体力が無くなり体が消滅した。


「くそ…… こんなやつに負けるかああああ」


 部下のもう1人が、マシンガンを美佳に向けて構えた。


「ちょっと、私もいるんだけど!!」


 緋奈はもう1人の足を蹴って転ばせ、リボルバーを腰につけていたホルダーから取り出して、頭に数発撃ち込み、もう1人の部下を倒した。


「まじか……」


 ブルーは味方が全滅し、絶望的状況で立ち尽くしていた。


「……完敗だ、なぁ…… 次戦うかわからないから、最後に聞かせてくれよ、お前は何者だよ」


 ブルーがそういうと、ブルーの後ろの岩に彩音が座っていて、アサルトライフルを構えていた。


「それって、どういう意味ですか??」


「いや、なんと言うか…… 動画で君たちの試合を見た時はまあ勝てると踏んでいたが、まさかこの俺たちが負けるなんてな……」


「私達は世界大会に行きます、それがみんなの目標ですから」


「そうか…… 今回は油断したが、2回目はもうねぇぞ」


 ブルーはそう言って、降参ボタンを押した。


「ふぅ…… 勝った〜」


 私達はプロとの初めての試合に、勝つことができた。


「あやねん!! 私達勝ったよ!!」


「やるじゃない!!」


「ないす〜」


「みんな強かった!! おつかれさま〜」


 YOUWINの文字が表示され、私達は待機画面に戻った。

 





 

※後書き

読んでいただきありがとうございます!!

よろしければ、左上にあります星をクリックや感想、ブックマークをしていただけると今後の活動の励みになります!!

https://kakuyomu.jp/works/16817330654169878075#reviews


 

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る