プロゲーマーを目指していた俺、妹はアジア最強の配信者でした。

第4話 両立の大変さ

　時刻は３時、今日の授業が全て終わった。

（にしてもきつい、なんで進学校にしたんだろ……）

　俺は山積みの課題に目を通し、ため息をついた。

「なあ悠也、このお前は部活何にした？」

「いや、俺は何も入らないかな　勉強で手一杯だ」

　俺がそういうと、東寺はバスケットボールを人差し指の上で回した。

「俺はバスケにした！！」

　東寺は大きな声でそう言った。

「そうか、頑張れ！！」

「おうよ！！　これから部活行ってくるわ！！」

　そう言って、東寺はバスケット部の活動場所の体育館へ向かった。

　俺も荷物をまとめ、家に向かった。

　帰っている途中、喉が渇いたので自販機でお茶を買った。

「あー　この課題の量で部活やる人結構すごいな、とてもじゃないが終わりそうにね〜」

　独り言をいい、お茶を飲んでランキングページを確認する。

　３位との差は昨日差をつけたが、課題に費やす時間を考慮しても休日に追い込まないと１位どころか３位になってしまう。

（彩音が俺の推してた人だってわかってから、なんか気まずくて配信を見ることもなくなったし、その時間を当てるか〜）

　そんなことを考えながら帰宅した。

　相変わらず、母は仕事で彩音は学校でいつも通り誰もいなかった。

　俺は手を洗い、一直線で部屋に向かった。

　いつもは真っ先にパソコンの前に座るが、数年ぶりに部屋の隅の勉強机に座った。

「さてやりますか〜」

　まずは数学の課題から始めることにした。

　進学校なだけあり、入学から一月も経過してないのにも関わらず、一般校であれば２年で習う内容だった。

「わかんな、答え丸写しでいっか」

　俺は全然わからず、クリップ止めされた課題をめくり、１ページずつ見た。

「あれ、ここも、ここも、まさか……」

　最後のページまで確認したが答えは見つからなかった。

　見つかったのは最終ページにあった、『この課題は評価に大きく関わります』の一文だった。

「まじで、うざすぎるって！！　こんなんが科学と英語もあるのかよ！！」

　教科書を開き、シャープペンを持って俺は残りの課題へと取り掛かった。

　なかなか回答がわからず、数時間が経過した。

「ふう…… やああああっと終わったあああああ！！」

　課題が終わってこれほどにもない感動と達成感を感じた。

　ペンを持っていた右手が痛み、冷たい水のコップの側面に手を当てて冷やした。

「今日は特別多かったと思うが、にしてもこの量はしんどいな……」

　時計を見ると、７時３０分で３時間以上かかった。

　俺は部活してないからいいが、陸上部やバスケットボール部は８時頃まで練習してるので、この課題の量が適正なのか疑問でしかない。

　俺は疲れてお腹が空いてきたので、茶の間へ行った。

　茶の間には昨日の残り物のカレーとサラダが置いてあった。

　カレーを温め、サラダにドレッシングをかけて食べた。

「さて、お腹も満たされたし、やるか〜」

　食べた食器を食洗機に入れて、俺は自室へ戻った。

　俺はゲーミングヘッドセットをつけて、ゲーム起動時にランキングをスマホで確認する。

「まじか……　まあ、まだ余裕あるからいいが……」

　確認すると、後ろの人との差が縮まっていた。

　昨日は５０００ポイント差（プロゲーマーでも埋めるのは時間がかかるくらい）あったが今日はこの半分以下にまで縮まっていて、正直時間の問題でこされるかもしれなかった。

（彩音はフルメンバーでやっていて、少ない時間の中、圧倒的な勝率で敗北ポイントがなくて俺と３０００ポイント差、ソロの俺は勝率が安定しないから回数回さないといけない、学校の課題の量的に１位は無理そうだな…… まあとりあえず３位の人にランキングを越されないことを考えよう……）

　俺はそう決め、早速ランク戦に取り掛かった。

　数時間が経過した、時刻は深夜３時で平日のこの時間は起きてる人はあまりいないだろう。

　目の下を黒くしながら、俺は洗面台で歯を磨き始めた。

「まあ、しばらくはこれでいいでしょ……」

　ランキングを確認すると、３位と差は５０００ポイントほど開いていた。

　今日は運が良く、彩音と同じくらい勝率と撃破ポイントが手に入った。

「彩音は…… さすがに無理か……」

　最終ログインが今日の１０時３０分、配信サイトでの活動時間も数時間しかないのにも関わらず、相変わらず２０００ポイントちょっとの差があった。

　さすがアジアのトップクラン、戦績確認サイトでも８８％。

　ほぼ負けなしで、４対４の陣取りゲームでこの戦績は異常だった。

（北米だと９０％超えが何チームかあるが、アジアだと８５％超えは彩音たちのみ…… 俺なんかソロだから６０％くらいなのに……）

　少ない回数でここまでポイントを増やせるなら俺もクラン組むかと考えたが、昔オンラインゲームのチームで揉めた経験があり、トラウマなってしまったので組むのは嫌だ。

「はあ…… また明日…… てか今日も学校か……」

　ため息をついてから俺は自室へ戻り、ベットに寝転がった。

　ゲームの光で目が覚めていたのでなかなか眠れなかったが、なんとか眠ることができた。

※後書き

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