第5話 雑穀の日・感謝の日/『雑じり合う』

「白飯が食いたいんだよ!」と父が吠えた。

「健康に長生きしてほしいから雑穀米」と差し出すのが妻の愛なら

「数年寿命が延びたとて。好きにさせてやれば」と仲介するのが娘の愛。

どちらも定年まで勤めあげてくれた父への感謝の気持ちは同じ。

「大好きなお赤飯みたいでしょ?」懐柔するは妻の貫禄。



◆3月9日は「雑穀の日」・「感謝の日」/2023年3月9日作

#140字小説『雑じり合う』

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