夜中の散歩
永遠の絆
第1話 夜中の散歩
ペロペロと頬をなめる感覚で、愛犬【シズク】に起こされる。
「出るのか?分かった、今行くよ」
シズクは、早くしろと言う表情で飼い主を急かす。
「おし、行くか、ふぁ~」
シズクは、夜中に急にもよおした為、飼い主の事を起こすようにしつけられていた。
「シズク、終わったな、よし、帰るぞ」
シズクは、出す物を出してすっきりした、表情で帰路に入った。
「シズクなんか、起きそうな、雰囲気だな」
シズクも心なしか、ビクつきながら帰宅途中だ。
シズクの緊急散歩の途中でアパート敷地内に立っている無人の鍵の掛かっている筈の
倉庫の前を、シズクと飼い主が、ある倉庫の前を通過した直後、
鍵の掛かっている筈倉庫の扉が、ギィィィと音を立てて、開いたのだ。
シズクと飼い主は、お互いに顔を見て、その開いた倉庫に向かい中を確認すると。
誰も居なかった、物も、無かった、風も吹いていなかった。
後ろにも、前方にも人影は無く、その場に居たのは、散歩中のシズクと飼い主の二人
だけ。
倉庫の中は、完全に無人だった。
「シズク、逃げるぞ」
と飼い主は、シズクにそう言うとダッシュで、その場から、急いで離れたのだった。
少し離れた場所で、後ろを確認し、誰も居なかった事を確認してから、走りから、歩きに切り替えて、
シズクは、早歩きになっている。
無事に帰宅して、シズクは、自分の避難所に入り夜を明かした。
後日、同じ、コースを明るい昼間に行くと、扉が勝手に開いた所は、
合板板で、蓋をされていた。
多分、倉庫の中に清めの御札を合板板の室内の方に貼って合板板で、
蓋をしたと思います。
以降、シズクは、このコースを使用する、頻度は極端に減り、
夜は完全に向かうことは無く、日中も減りました。
飼い主は、何も見えなかったが、愛犬のシズクには、
この世じゃあないものが、見えて、倉庫の前にとどまって居る、霊体を見えていたのかも知れません。
現在は、その建物は、解体され、更地になっている。
夜中の散歩 永遠の絆 @bannku
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