第18話 美少女、怒り

-次の日


「さ!やりますか!」


今日も昨日と同じく朝からゴーグルを装着した。

目の前が現実から引き離されていく。


『イクシード』


俺はアイロニーの時と同じように探索を始めた。

イクシードはアイロニーの西洋風とは別で日本の平安時代のような風景だ。

そんな街並みを見つつ外周を回った。


俺にとって1番重要なのはイクシードから出られるのか…という事だ。

イクシードもアイロニー同様森に囲まれている。

その境の柵に沿って歩いて行った。


「え!?あれは……」


歩き始めて数分、とある看板を見つけた。


『出口』


あるじゃん出口!!

まだイクシードが何なのか分かってないとこだがそれは後でもう1回来たらいい事だ。

とりあえず先に進もう。


俺は看板の横の道に足を出した……が、やはり謎の壁があり阻まれてしまった。


やはり無理か……


アイロニーであんなに苦労したのに次の街で簡単に行ける訳ないんだ。

ゆっくり手がかり探していくか〜


「ひとまず街を探索して……と」

「イクシード来たばっかなの?私が案内してあげよっか?」

「ヒョッ!?!?」


俺の背後から突然女の子が話しかけてきた。

ぱっちりな目にツインテールの美少女だった。


「え…あ…あん……」


キョドる俺に彼女は手を引っ張り歩き出した。


「遠慮しなくていいよ!!行こ!!!」


ニコッと笑う彼女に俺は心を打たれた。


…こういうのも悪くないかも……


それから俺たちはイクシードを歩き回った。


「ここは酒場!アイロニーにもあったよね。それと見た目以外はほぼ一緒だから大丈夫」


酒場…


「ここは武器屋!これもアイロニーとほぼ一緒!」


武器屋……


基本的にアイロニーがマイナーチェンジした感じか…

外見が全く違うから同じ場所でも新鮮味がある。


「さっき私たちがあった場所が出口!とあるクリア条件を達成したら通れるようになるよ!」

「クリア条件って……」

「もちろん教えてあげるよ!




……私の言う事聞いてくれたらね?」


またこのパターンかぁ!!

何?このゲームはクズしかいない訳?

すっごい不穏なんですけどぉ!!


「ちなみになんだけどキミの名前聞いていい?」


まだ大丈夫だ。まだきっしょいショウ…きっショウと同じ人種だと決まった訳じゃない。

大丈夫だ。大丈夫。


「わんです。あなたは?」

「私は王子って名前!よろしくね!」


王子か…またすごい名前だ……

名前からヤバさが滲み出てる。

もうこれきっショウリーチかかってんぞ!


「でさぁ。聞いて欲しいことなんだけど……これから私と一緒に行動しない?」


何だそんな事か……

…って違う違う!!

嫌だよ!これも嫌だけどきっショウのせいで感覚がバグっちゃってるんだ。

でも王子はきっショウとは違うと信じてやんわり断ろう!

うん。それがいい。


「あの〜それはちょっと厳し…」

「なんで?私イクシード案内してあげたよね??こんな恩も返せないの?じゃあ私がしたことなんだったの?責任取ってよ!」


……ん〜。

オワタ\(^ω^)/

いやでももしかしたら間違いなんてことあるかも〜…


「責任取れよ!!」

「ヒョッ!?!?!?」


--続く

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