散歩をしていただけなのに
とりあえず 鳴
第1話
僕には趣味がある。
それは深夜の町を散歩すること。
深夜の散歩を続けていたら、女の子と出会った。
私服だったから僕と同じで深夜の散歩中なのかなと思った。
恥ずかしいけど一目惚れをしてしまった。
僕はその子のことが気になりすぎて関係ない道なのに後を追ってしまっていた。
そんなことを何回か続けていると、女の子が変な男と一緒に歩いているのを見かけた。
女の子が震えていたから、きっとナンパか何かを断れないで連れていかれているのだと思った。
だから僕は思い切って話しかけた。
でもそこからの記憶がない。
口論になったような気はするけど、どうも思い出せない。
僕は次の日にもその場所に向かった。
その日は女の子には会えなかったけど、僕が女の子達に声をかけた場所には花が供えられていた。
僕は少し怖くなった。
もしかしたら僕があの男を殺してしまったのではないかと。
その日はそのまま帰った。
でもどうしても気になった僕はそこに通い出した。
そしてしばらく経ったある日に、女の子が来た。
でも今度は友達を沢山連れている。
「ここだろ。あんたがストーカーを殺したの」
「ち、違う。私は殺してなんか」
「そうそう。こいつのシスコンの兄が殺したんだよな」
女の子が困っているようだから、どうにかして助けたかった。
(おいお前ら、やめろ)
僕が言うと、周りの奴らが走って帰って行った。
女の子が怖かったようで、その場にうずくまってしまった。
(大丈夫だよ。君をいじめる奴らは僕がなんとかするから)
「何で、私はただ散歩してただけなのに。お兄ちゃんを連れてまで自分のことを優先なんてしなければよかった」
女の子が独り言のように呟く。
「あの変な男に付きまとわれたせいだよ。お兄ちゃんはあいつを殺しちゃって捕まっちゃったし、私はそのことでいじめられる、何で?」
(大丈夫だよ、僕がずっと守ってあげるから)
僕は女の子のことを優しく包み込む。
散歩をしていただけなのに とりあえず 鳴 @naru539
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