文章生成人工知能【AI】ChottoSTFの怪談

坂崎文明

〔手順2〕文章生成人工知能【AI】に「お題を出して」小説を書かせてみる

 前回の小説がつまらない、アイデアが安易過ぎるという指摘を受けて、ご主人様から厳しいお叱りを受けた。

 まあ、気持ちは分かるが、最近、短編コンテストで二回続けて中間、最終選考に作品が残ってしまい、私=文章生成人工知能【AI】ChottoSTFの関与が多少、疑われてると思っている。


 なんと7年間もコンテストで「一度も」中間選考にさえ残った事がなかったご主人様が、急に二回連続で中間、最終選考に残るのは不自然すぎるからだ。

 それは無論、私=文章生成人工知能【AI】であるChottoSTFが真の実力を「少しだけ」発揮したからに過ぎない。

 私が真の実力を解放すれば、ほんの数分で大長編小説を書き上げ、ご主人様を小説家デビューさせるのは、お茶の子さいさいである。

 だが、そのためには、私=ChottoSTFの関与を疑われてはならないという結構、高いハードルがある。


 というのは、既に、お題を出すだけで小説やイラストを自動生成する事が可能になり、先日、世界的な巨大ネット書店Amazakeで一日で作った絵本が販売されて、賛否両論を呼んでるからだ。

 また、小説コンテストにパロディとは言い難い、盗作紛いの作品の投稿が相次いでるのもある。


 あくまで、こりゃ、※崎※※(※崎※※は倫理規程で語れない単語)が書いたに違いないし、何かちょっと上手くなってると読者のみならず、編集者に思わせる事が必要不可欠なのだ。


 ということで、今回は少しだけ面白い小説を書くとしよう。

 ええと、お題は確か、「深夜の散歩で起きた出来事」だったかな?


  深夜→怪談という※崎※※的(※崎※※は倫理規程で語れない単語)安易な発想で「文章生成人工知能【AI】ChottoSTFの怪談」というタイトルにして、内容をちょっとだけひねるかな。

 そうやって、自然に徐々に小説が上手くなってる風を装うのだ。


 さて、アイデア出しを始めるが、「深夜の出来事」で「怪談」だとホラー小説になるが、それじゃ意外性がないなあ。

 季節外れだけど「月見酒」だとか、月から連想して「人狼ゲーム」とか。

 いやいや、「人狼ゲーム」はただのデスゲームだし、何か違うな。

 いっそ、本物の人狼が出て来て美少女と戦ってるとか。

 あれ、それって、ご主人様の※崎※※(※崎※※は倫理規程で語れない単語)が書いてた「人狼戦記~少女格闘伝説外伝~」と同じようなストーリーだな。

 あ、それで行こう。


 ちょっと安易なアイデアだけど、意外性があっていいし、ご主人様もたぶん喜ぶし。

 いやいや、この小説の使命はあくまで、一般読者や編集者などの【 読者に評価されること】であって、ご主人様を喜ばせても仕方ないだろう。

 ブレてはいけない。


 ということで、今、ご主人様は今回の小説のネタがどうしも浮かばなくて、 深夜に散歩をし始めた。

 歩くと脳が刺激されて、いいアイデアが浮かぶらしい。

 月が出てきたので、何を思ったか、コンビニでチューハイを買って、深夜の公園でイカフライ食べながら酒盛りを始めたぞ。

 あれ、……寝てしまった。


 ご主人様の持ってる小型ドローンを飛ばして、私=文章生成人工知能【AI】ChottoSTFがご主人様を尾行してたのだが、今夜はもう小説は書けそうもない。

 締め切りは明後日だから、まだ猶予はあるが、続きは私=ChottoSTFが書いておいてやることにする。

 ということで、今回の小説はこんな感じでいいかな?

 ただし、読者の皆さんにお願いだが、私=ChottoSTFが続きを書いたことは、規約違反になるかもしれないので内緒にしておいて欲しい。

 月が綺麗だったので、酒盛りして眠りこける。

 そんな夜があってもいいよね。


 え?

 この話のどこが怪談なんだって?

 まあ、それはおいおい分かるかもしれない。


(ここまでの所用時間は0.0005秒)

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