聖女の話
zaq2
聖女として天啓をうけた人
この世界には、神様がおられる。
神様という存在が実際に天啓というのを授けては、最悪を回避するために、人々を導くという事をするらしい……ですわ。
らしい、と付け加えた訳は、実際にそういう事が起きたり、体験したりしていない為に、教会の教義で伝え聞いた事でしか知らない為とも伝え聞きますわ。
ただ、本当に"神様はおられるのかもしれない"と思う経験、そう言葉にしたくなる体験をしてしまったら、そう言うしかありませんわ。
なにせ、
"あなたに『聖女の力』を。その力を使い、人々に光の
一日の仕事が終わり、疲れ果てては寝台にて直ぐに眠ってしまっては見た夢。
それにしては、あまりにも非現実性が高すぎるが為に記憶に残っていましたわ。
姿形は見えずに光りまばゆい世界の中で、優しくも威厳のあるような、そして女性らしい声で、自分に対して光る球体が身体の中に入り込んできて……
そして、普通に目が覚めてしまいましたわ。
眠気
そして、あれは一体何だったのか?
目が覚めては、記憶をたどってもみるが、どう考えても夢……のはず?
記憶を辿ってみても、それ以前にそんな覚えは一切ない。
神事事を行った記憶があるといえば、最後の両親(母親)の葬儀が終わり、教会にて葬儀を執り行っては、母親が父親に再び会えます様に神前で祈ったぐらいで……
こういうよくある物語みたいに例えれば、ぽわわんとした力?みたいなのがすぐにでも使えるとかありそうですが、どうやらそういった事は、"うーん"と唸ってみるぐらいに頑張ってみましたが、なにもなさそうですわ。
それにしては、あまりにも非現実的な体験をした印象がぬぐえない、これはやはり夢なのだろうと結論付けましたわ。
「夢は夢。さて、と。両親を送った翌日だったとしても、現実は働かなければ食べていけませんわ」
そうして、身支度を整えては、いつもの様に清掃員の仕事へと赴きます。
うんうん、今日も天気で気分が良いですわ。
~~~~~~
あの"変な夢"から数日がたちました。
その後、ああいうオカシナ夢を見る事がありません。
そもそも、夢を見た事すらないぐらいに、毎日疲れ果てては寝るだけでしたわ。
街の清掃員として働く毎日が普通に続き、何時もの毎日が続き、特別な事も起きないまま過ぎ去ったため、夢のお告げはやはり夢であったと再確認ができた事でしょうか。
そうして、いつもの清掃道具を取り出しては、公共物の掃除を行っていきます。
今日の担当は、公園。
催し者が開催される様なので、入念にというご達しが来ています。
仲間内でチームを組み、部署ごとに分けては作業にいそしみます。
季節が変わり始めては、落ち葉で満たされており、ふむ、これは確かに掃除のし甲斐があるというものですわ。
朝露によって湿った落ち葉で足を滑らせ、催し物に来る方々が転ばない様しっかりかき集めていきましょう。
せっせと集めていると、耳に聞こえるのは子供たちの元気にはしゃぐ姿は、微笑ましいものです。
怪我をしない様にと、箒を器用に扱って小石もきちんと歩道からどかしていきます。
ほっ、はっ、よっ、これが意外にうまく行けば楽しいもんなんですわ。
落ち葉を集めては、ゴミ袋へとしまい込み……作業はつつがなく進んでいきます。
そろそろ昼時の時間、水分補給もお忘れなくといった処で子供がコケて大泣きしているの発見します。
子供たちに囲まれてはいましたが、少し、場所を開けてもらいます。
こういった時の為に、持参している簡易治療道具が入っているポシェットが役に立ちます。
「傷を治すために消毒しますが、ちょっと染みるけど……男の子だし我慢、我慢」
男の子は泣きながらでも、うなずいてくれます。
それではと、水分補給用にと買っておいた水で傷口を洗い流しては、キズの状況を確認します。
内容は、ただ単に擦りむいただけ、ですが、ちょっと幅が広いといったところでしょうか。
携帯しているポシェットから、常備している傷薬液にて消毒し、取り出したキガーゼで抑えては、包帯で固定しておきます。
「よく我慢できたな。えらいえらい。あとは"
そうして、簡易的な治療を施して"あれ?痛くない……"と、そして"ありがとう!"という感謝の言葉をいただいてから、再び清掃活動へと戻ります。
さあてと、昼から始まる催しには、間に合わせて見せましょう!
そう、張り切っては、催しが始まる前に一通りの清掃を終わらせては、掃除用具を片付けては、家路へとつきます。
「ふわぁ……それにしても、とてもとても眠いですわ……」
催しに間に合わせるため、朝が早かったからか眠い……
帰ったら、夕刻までは昼寝でもしますかね。
明日からは、外壁清掃がまっている……あれ、半月以上かかるから、大変です……わ……(スヤァ
~~~~~~
"地方都市の街で、聖女の天啓を受けた者がいると啓示をうけた。早急にその者を探し出すのだ"
そういわれて出向した先は、帝国の隅にある地方都市。
旧、大昔は、一国の首都だった所が、いまでは地方都市となり替わってしまった場所である。
「はぁ、本当に見つけられるのか?旧都とでもいう規模の大きさだぞ?」
「見つけられるのか?ではなく、見つけるのですよ?我々が数百年ぶりの降臨となる"聖女"さまを」
旅団としての一団を率いては、この旧都ともいえる街へと赴いている。
ただし、そういう事を大々的に行う必要性があるのかと言えば、そういう訳がいかない。
あくまでも、これは一部の人にしか知らされていないため、移動商人の一団という格好として赴いているのだ。
その内、旅団の神父として来ている神官どのは、名誉あることを拝命したとして、息巻いている。
こちとら、その真偽が定かではない事に振り回されている身であるために、貧乏くじを引いた感じをしていた。
そうして、啓示の内容のあった街に到着し、さっそくとばかりに催し物をする形で、聖女の捜索にあたる。
あたるのだが、初日、二日、三日、四日、五日、六日……と経っても、聖女の"せ"の字すらみつからない。
催し物のために、街中の女性という女性が見に来てくれる様に、休息日にも開催する様にしていたのだが、それでも、一向にそれらしき反応が無い。
「本当に、この街におられるのでしょうか?」
「啓示は本当である。今までにも同様の事があり、その全てにおいてその通りになったのだからな」
「そうおっしゃいますけれど、反応ありませんよ……」
一週が過去ろうとし、催し物を行うための行商の在庫も残り少なくなってきている。
このままこの場所にとどまるとなると、それはそれで怪しまれる恐れもでてくる。
「こうなれば、もう、背に腹はかえれません、公表しましょう」
「え、ええ?!」
そうして、あれよあれよという間に、公表して調査が始まることとなった……
* * *
──なんでも、聖女様を探しているらしい
──この街でご降臨なされたようだ
──聖女が誕生した街だそうだ
まずいですわ……
聖女というのが誰なのか、もう解っています。
たぶん、私ですわ
名乗ることは……したくないですわ
いままでの歴史上、偶像扱いにされるなり、なんなりと担ぎ上げられるのが普通にわかりますから。
そもそも、名乗る必要はないですし、黙っていても問題ないでしょうし……
というか気づかれる事ないだろうな、と思いますわ
「おい!そこの!!ゴミを掃除しておけ!」
「はい、わかりました」
ほらね?そういう捜索関係者でも、自分を調べる様なことを一切しませんわ。
さてと、今日のお仕事はこれでおしまいっと
そんな中、同僚から声がかかる
「おーいジャック、今から酒のみにいかねーか?」
「んー、今日は懐が寂しいのであきらめますわ。また今度、よろしゅうお願いしますわ」
「そっか、んじゃまた今度いこうな」
と言って、更衣室から去っていきます。
ええ、まぁ、うん、私、"男"なんですわ……
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女神「LGBTに配慮しました」(キリッ
という神様がいたら、こういう事もあるのかなと思っただけ。
選定採用された理由:アオハル時代に
主人公「アッー!」(自主規制
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