繋がる？

第1話

あーあー

ごほっ

深夜は危ないので

無暗にウロウロしませんよう．

最近は

めっきり暇になってしまった．

皆さん持ち歩く．

どこでも繋がり，

多機能で．

場所代だけ高くて採算が合わないと

時代に合わせて

撤去されてる．

そう私．

あれ．

お母さん！？

私っ合格してたよっ

と繋いだのは，

いつの話だろう．

非常に良い顔を見て，

非常に嬉しげな声を2種聞く．

時代だから．

硬貨すら持ち歩かなくなってる．

カードは尚更．

昔は，景品だったりしたけれど．

何度も言うけど

時代だから．

ただ，深夜…

最近，私は多機能．

もしもしは使われない．

ただ，雨風凌ぐ為に入る．

人がいる．

時には，泣きながら，

顔を腫らしながら．

特に何も出来ない．

私，赤いボタン押して

数字を押したら

然るべき所に

繋がりますけど．

それすら…

それすら…

伝わらない．

電話帳の台に座る人．

小さい．

本当なら家でお休む時間．

緑のライト．

当てるだけ．

緑だから心が少し落ち着くかな．

りんりん言わせてみようかと

思い始める．

私と話してみますか．

私は話せますか．

それすら分からない．

大きい人．

連れ戻しに来る．

遅い．

早ければ良いとも言えず．

連れ戻されて，

どうなるのかなんて

私分からない．

内側折れ曲がる入れ物．

小さな人必死そうに抑えながら，

手を挟まないように願う．

外から大きな人力強く押してる．

口が大きく，せわしなく動き，

叱るというよりも

激高してる．

私，今だけマジックミラーの

入れ物になりたい．

根負けはしていない．

小さい人．

力に押し負ける．

大きい人の．

あぁ開いてしまった．

封印されていた声が

届いて届いて

入れ物の中に充満する．

一緒に震えていくかのよう．

私は今だけ映像も繋ぎたい．

引き摺られる小さい人．

引き摺る大きい人．

何も出来ない私．

三つ巴ではない．

大きい人が１番強く見える．

強く振る舞い，

力関係は見たままか．

今ここで，りんりん言わせる．

不可思議を投入する時，

番狂わせが生じる．