深夜の散歩?
珀武真由
あっ、あれは?
信じる信じないかはさて於き、不可思議現象はほぼ皆が経験していると思う。
私もその一人。学校の七不思議や火の玉や森に浮かぶ光柱球など。
経験はありませんか?
まず、火の玉。実家の近くには墓地がある。目と鼻先に。
夜な夜な墓石の上でゆらぁゆらり。
驚きの光景だが昔からある土地には土葬が当たり前の墓。憑きものだよね。
なぜって? 化学授業で教わった通りリンが燃えるからさ。
でもその日は。
墓向こう道路の電柱の下、揺れていた。
電気の光の下でふわぁふわりと。しかも色も青い色はなく、赤と橙色だった。
(綺麗だな)
素直な意見だ。でもあないなとこで赤々と燃えるのか?
と悩んでいると翌日、その電柱横のおばあさんが亡くなったと訊いた。
(ありゃあ~)
それがその人の物かは分からないが明らかに光は浮いていたのだ。
ゆらぁゆらりと。
また違う日のこと。妹が窓から変な光の玉が見えると言う。
(そんな馬鹿な)
家の前には竹やぶと雑木林がある。「ここ最近ものすごく大きな光が浮かぶの」と妹はほざく。
いつも徹夜をする私は見ていても誰かが虫を捕りに来ているのだから懐中電灯だと錯覚していたが……。
深夜、気になりカーテンを閉めず、窓を気にしつつ徹夜をした。机の電気を浴び、私は外の明かりを待った。
すると──。
確かにふわふわと大きな光が浮いている。まるでそこに宇宙未確認飛行物体があるのかと思わされたぐらいの。
林の外れに家屋があるのだが光はそれを透き通り、反射して光った。
(噓だろう?)
それは三日おきに続くと或る日を境にふとなくなった。
その時、嘘か真か地元のニュースで未確認飛行物体が囃された。
(ええ~~~)
或る日は円盤らしき物がふっふっふっ。
「ね? 見た? 今空に」
星座探策の夜。妹と友達が見た丸い物体。空気が澄んでいるので衛星まで見える空。
そこで私も見た。
不思議だが本当のむかし話。
世の中不思議なことがあるもんだ。
深夜の散歩? 珀武真由 @yosinari
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます